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ラインがタイの生活基盤に タイ人の8割以上が利用

登録:2016-05-04 08:34 修正:2016-05-04 17:00
日本、台湾に続き国民的メッセンジャーに
ラインタイ法人長のアリヤ・バノミオン氏が3日、バンコクのバンヤン・ツリーホテルで開かれた「ラインメディアデー」のイベントに出席し、先週開始した「ラインマン」のサービスを試演している=ネイバー提供//ハンギョレ新聞社

コンテンツ、生活、ショッピングで多角化
次の目標は「スマートポータル」
現地の情緒に合わせたサービス戦略で本領を発揮
海外での成功でネイバーの成長牽引
国内会社東南アジア進出の基盤期待

 2日、仁川(インチョン)空港を出発した飛行機がタイの首都バンコクのスワンナプーム国際空港に着陸した後、シートベルトのライトが消えると、あちこちから「ティントン」というラインの着信音が聞こえてきた。タイの人たちがスマホをつけてラインの文字メッセージを受信した音だ。バンコク市内のショッピングセンター、カフェ、レストランはもちろん、地下鉄やバス、ホテルのエレベーターの中でも同じだった。

 この着信音は、ネイバーの日本の子会社、ラインのメッセンジャーサービス「ライン」が日本と台湾に続き、タイでも国民的メッセンジャーの隊列に加わったことを知らせてくれる。タイの人口約6800万のうち4000万人がスマホを使っているが、そのうち3300万人余り(月1回以上利用者数基準)がラインを利用している。ラインは東南アジア最大の市場であるインドネシアでも、国民的メッセンジャーになるのを目前にしている。

 ライン・タイ法人長のアリヤ・バノミオン氏は3日、バンコクのバンヤン・ツリーホテルで開いた記者懇談会で、「代表的なモバイルファースト国家であるタイのスマートフォン利用者が最も多く利用するサービスはメッセンジャーだが、80%以上がラインを使っている」と明らかにした。アリヤ・バノミオン氏は「韓国のカカオトークのように、ここではラインを利用しなければ日常生活はもちろん、業務とコンテンツ消費も大変だ」と話した。さらに「ラインのサービスがコンテンツ、広告、生活サービス、電子商取引などスマートフォン利用者をつなげる輪の役割を果たしている」、「すでにパソコンやテレビのような既存のコンテンツ消費チャネルを速いスピードで入れ替えている」と説明した。

ライン利用者の推移(単位:万人、月1回以上利用者を基準=資料:ネイバー//ハンギョレ新聞社

 バンコク市民がラインの付加サービスのラインテレビ、ラインミュージック、ラインゲームを利用して映像や音楽を消費する姿をよく見かけた。ラインが2014年12月に現地の事業者と協力して披露したラインテレビ加入者は800万人を超え、昨年ラインテレビで放映した「ホルモンズ3」シリーズは、1億8千万の再生数を記録した。ラインミュージックの利用者も700万人を超える。アリヤ・バノミオン氏は「次の目標はメッセンジャーを越え『スマートポータル』になること」と話した。

 東南アジアまで進出した状況に支えられ、ラインは2億2000万人余りの利用者を集め、ネイバーの成長を牽引している。ネイバーは第1四半期(1~3月)に9373億ウォン(約868億円)の売上を記録し、四半期の売上1兆ウォン達成を目前にしたとし、「国内ではモバイルが、海外ではラインが売上高増大を率いている」と説明した。ラインの第1四半期の売上は341億円(約3672億ウォン)で昨年同期より20.9%増加した。広告とゲームの売上がそれぞれ35%で、ステッカーの売上が22%。

 ネイバーは、ラインの成功の背景について「日本在来のサービスとして発足し、台湾やタイなど日本の商品を好む国をまず攻略したのが効果をあげた」と説明した。ネイバーのシン・ジュンホ・グローバル事業戦略最高責任者(CGO)は「現地の目線と情緒に合わせた“カルチュラル・コントローリゼーション”を追求し、デザイン及び運営の決定権を現地の人たちに任せたのがアピールした」と話した。

 ラインの相次ぐ国民的メッセンジャーの達成は、韓国インターネット・コンテンツ事業者とベンチャー企業の東南アジア市場進出の基盤になりうるという意味もある。タイは昨年12月に発足したアセアン経済共同体(AEC)の中心国だ。アセアン経済共同体10カ国の人口は6億人で欧州連合(5億人)より多い。タイは地理的にもインドシナ半島の中心にあり、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、ラオスと国境を接している。ベトナム、シンガポール、中国、インドとは高速道路でつながっている。

 さらにタイ政府は「モバイルファーストおよびスタートアップ生態系活性化」政策を展開しており、インドネシアなども同様の状況にある。すでに「クッキーラン」、「エニパン」、「みんなのマーブル」など国内のゲームがラインを通じてタイに進出して成功し、CJ E&Mも先月、タイ最大の総合メディア事業者のトゥルービジョンズとコンテンツの合弁法人を設立することにし、了解覚書を結んだ。

キム・ジェソプ記者/バンコク(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-03 20:44

https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/742373.html 訳Y.B

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