登録 : 2016.03.21 09:23 修正 : 2016.03.21 17:08

SKT、カカオ、ネイバーで三つ巴の競争

生活価値プラットフォームを先導する業界トップ企業。 SKテレコム(SKT)//ハンギョレ新聞社
 SKテレコム(SKT)は今年初め、組職を改編し、中核部署だったマーケティング部門の名を「生活価値部門」に改めた。また「Tバレー」というチームを新設し、「生活価値アイデアを積極的に発掘」させる特命を下した。同社さらに、2日、子会社のSKプラネット(SKP)からクラウドサービス事業部を分離し「SKテックX」という別会社にし、「生活価値プラットフォームの中核の役割を果たす」と説明した。

 「生活価値」を前面に掲げた姿勢が際立つ。SKテレコムは生活価値を「顧客が日常生活の中で体感できる価値」と定義した。生活価値プラットフォームは「生活価値サービスを開放型生態系の基盤として提供すること」だとした。具体的な例として、ペット専用ポータルサービス、中古ファッションアイテム取引サービス、同じ年頃の友達をまとめてオンラインコミュニティを作るサービス、美容室利用サービスなどを挙げた。早道を探し案内してくれるTマップ・ナビゲーション、インターネット銀行、簡易決済なども生活価値サービスに含まれると説明した。

移動通信、ポータル、メッセンジャーのトップ企業
品質・価格競争の限界から出口を探す
日常利便と連動したサービスに解答

「生活価値サービスプラットフォームを先取りせよ」
ナビ、モバイル商品券、簡易決済から出発
タクシー呼び出しや美容室予約など無限に拡張

成熟した市場で競争促進の好循環
生活の変化に続き新たな産業生態系の創出

 これに先立ちカカオも2014年10月、ダウムコミュニケーションズと合併した際に生活価値を掲げた。「モバイルライフ」という英語表現を使っただけで実体は同じだ。その後カカオは、関連サービスを相次いで出している。スマホでタクシーを呼ぶ「カカオタクシー」、スマホでプレゼントする「カカオトークでプレゼント」、早道を探して案内する「カカオナビ」、簡易決済の「カカオペイ」などが代表例。カカオはスマホで代行運転手を呼べる「カカオ代行運転」、スマホで美容室を予約して決済までする「カカオヘアショップ」も上半期に出す計画だ。カカオは「四半期ごとに一つか二つ新しいサービスを披露する目標を持っている」と明らかにした。

生活価値プラットフォームを先導する業界トップ企業。 カカオ//ハンギョレ新聞社
 このためSKテレコムとカカオが対決する市場規模も早いスピードで広がっている。両社がそれぞれ移動通信とメッセンジャー(カカオトーク)事業に集中していた時期は、まだ互いに距離があった。だが同じ生活価値サービスに力を傾け、随所で対戦する事態が発生している。すでにモバイル商品券、ナビ、モバイルタクシー、簡易決済などでは熾烈な競争を繰り広げている。興味深いのは大手のSKテレコムが何度も負けている点だ。モバイル商品券やモバイルタクシーなどでは惨敗を喫した。SKテレコム子会社のSKプラネットが、不公正行為をした疑いでカカオを公正取引委員会に二度も申告するほど神経戦も白熱した。

 生活価値サービスはネイバーも強化している。 ネイバーは最近、モバイル地図アプリにナビの機能を追加した。都市消費者が農産物を産地に直接注文して食べれるサービスも出した。同社は10~11日、江原道春川(チュンチョン)研修院(ネイバーコネクトワン)で、社員を対象に生活価値のアイデアを公募する「ネイバーハックデー(Hack Day)2016」を開いた。ネイバー関係者は「使用者価値に焦点を置いたイベント」だったと説明し、「利用者に最高の価値を提供できると評価されたプロジェクトを選んで事業化する予定」と明らかにした。

 このように生活価値が情報通信技術(ICT)トップ企業の合言葉となった状況について、事業者らは一様に「顧客サービス」を挙げる。しかし、本音は別の所にある。顧客の流出を防ぎ、新たな収入源を探す戦略として生活価値を掲げているのだ。生活価値サービスがピザの上で溶け合い、ねっとりしたチーズの役割を果たしてくれることを期待しているようだ。ピザを作る時、生地の上に肉や野菜をトッピングして、そのまま焼いてしまうと食べる時にみな落ちてしまう。肉や野菜の上にチーズパウダーを振り掛けて焼けば、チーズがトッピングに絡みピザの風味も出してくれるように。

 SKテレコムは移動通信加入者の占有率が50%に上る。売上と営業利益額のシェアはさらに高い。それでも悩みはある。まず、加入者占有率をこれ以上増やすのは困難だ。その能力はあるが、できない。政府が有効競争体制の悪化を理由に規制の刃を振り回しかねないからだ。SKテレコムがCJハロービジョンを買収して子会社のSKブロードバンド(SKB)を合併すると発表して大騒ぎになったのも、同じ脈絡からだった。

 カカオはさらに追い詰められている。メッセンジャーサービス「カカオトーク」の大ヒットで“国民的メッセンジャー”と称賛されるまでは良かった。しかしカカオ経営陣側にすれば素直に利用者を信じられない。いつ裏切られて去ってしまうかもしれない。2014年10月、いわゆる「カカオトーク通信傍受」の批判が起きた際に、ドイツにサーバーを置く「テレグラム」へ“メッセンジャー亡命”事態が起きたのは記憶に新しい。最近、テロ防止法が国会を通過したことを機に、再びメッセンジャー亡命の事態の兆しが現れた。

 こうした悩みはネイバーも同じだ。強力な検索と電子メール市場占有率をもとに「国内最大のインターネットサービス事業者」の地位を維持しているが、一瞬にして吹っ飛んでしまうことだってある。すでに公安がらみの政局が起きるたびにグーグル「Gメール」への“メール亡命”事態を経験してきた。

生活価値プラットフォームを先導する業界トップ企業。 ネイバー//ハンギョレ新聞社
 そこへネイバーは、情報・捜査機関の要請による通信資料提供の再開を巡る深刻な悩みを抱えている。ネイバーは利用者の同意なしに警察の要請に応じたことに対する損害賠償訴訟を起こされ、最終的には勝訴した。だが、資料提供の再開を利用者が嫌がり、再開拒否を宣言しようとすると、今度は情報・捜査機関の心象を害すると懸念されだした。このため令状を提示された時だけ要請に応じる内部方針を決めたのだが、公式発表もできずにいる。カカオも同様の事案について「通信資料提供を再開するか悩んでいる」という話ばかり繰り返し、複雑な心境を覗かせた。

 結局、利用者の心変わりとサイバー亡命の事態に備えねばならない企業の立場としては、「生活の利便」というしっかりしたチーズをたっぷり撒いておいたほうが有利な戦略になる。

 さらに、生活価値サービスはすでに、成熟した市場でも新たな競争手段として作用し、利用者の便宜を改善して新しい産業生態系の創出効果まで出すものとみられる。SKテレコム関係者は「通話品質と料金レベルが似てきた状況にある上、事業者間の仕切りもほとんどなくなった今の状況では、新規顧客を誘引し、既存顧客の離脱を防ぐ方法は生活価値サービスしかない」と話す。同社の別の関係者は「競争会社の加入者たちがわが社の生活価値サービスを利用するため移ってきている。既存の加入者には、離脱したら慣れているサービスを使えない不便さを感じさせるのが目標」と説明した。

 カカオも生活価値サービスとして、カカオトークのプラットフォームを強化するつもりだ。このため“タコ足”と呼ばれるほど生活価値サービスを多方面に拡大している。「カカオタクシー」や「カカオでプレゼント」など、一部はすでに効果を上げている。タクシー利用者たちが「カカオタクシーがないとどうしたらいいか分からない」と言うほどだ。カカオでプレゼントを使ってコーヒー1杯とケーキ一切れの軽い好意を交わす様子も日常化した。カカオは今年上半期に発売予定の「カカオ代行運転」と「カカオヘアショップ」にも大きな期待を寄せている。カカオ代行運転は利用者が最も憂慮していた無保険問題をしっかり解決させた。

 業界大手同士で競争が行われているため、生活価値サービスの種類が急速に増え、既存サービスの利用の利便性がよくなる効果も生んでいる。ナビではカカオが「キム運転手」を買収してカカオナビを出し、ネイバーまで加わり、SKテレコムのTマップとともに三つ巴の様相となり、品質も急速に改善された。案内画面のグラフィックと付加情報提供機能は日々改善されている状況だ。モバイル商品券でもカカオが参入し、有効期間内に使用されない商品権を事業者が抱え込むことで“落第点”が解決された。代行運転サービスではカカオと従来のメーカー間に運転手の待遇改善競争が繰り広げられている。

 生活価値サービス中心の新たな生態系が作られ、買収合併の活性化により、新生ベンチャー企業の活路が増えていることも注目される。カカオは「キム運転手」やメロンなど大規模な買収合併を相次いで行い、関連産業に活力を与えたと評価されている。カカオは「買収合併を積極的に推進する方針があった」と明らかにした。SKテレコムは「生活価値サービスの発掘に向け外部企業と提携したり連携を強化する」と説明した。

キム・ジェソプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-20 20:05

http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/735922.html訳Y.B

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