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韓-ヨーロッパ FTA ‘最終妥結’なしで“妥結”発表

原文入力:2009-07-16午前06:47:53
政府, 韓-スウェーデン首脳会見後“事実上妥結”
スウェーデン総理は“まだ争点残っており交渉中”

キム・ギテ記者

発表文には‘agreement’ではなく‘compromise’
“大統領歴訪に合わせて業績包装して無理手”

政府が2年間続けてきた韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定(FTA)交渉を妥結したと去る13日発表したが、‘最終妥結’と見るには難しい情況が明らかになっている。このために政府がイ・ミョンバク大統領のヨーロッパ歴訪業績を強調しようと無理手を用いたのではないかとの指摘が生じている。

イ大統領は去る13日ストックホルムでフレデリック レインフェルト スウェーデン総理と首脳会談を行った後、記者会見を行い韓-ヨーロッパ連合FTA交渉と関連して「すべての残余争点に対する最終合意案が導き出されたことを歓迎する」と明らかにした。これに対して政府高位関係者は、スウェーデンがヨーロッパ連合議長国であることを聞き「事実上交渉が妥結した」と伝えたが、国内言論らはこの解釈を受け一斉に‘交渉妥結’と報道した。しかしスウェーデンとヨーロッパ側から伝える状況は少し違う。

首脳会談記者会見場でレインフェルト スウェーデン総理は「スウェーデンが議長国を受け持っている間に韓-ヨーロッパ連合FTAが妥結することを希望している」と話した。スウェーデン総理の発表では交渉妥結時点が未来に持ち越される。レインフェルト総理は引き続き「まだ残った争点があり、署名に至る前に残った問題を詰めなければならない」と付け加えもした。これと関連して大統領府は「スウェーデン政府には交渉権限がなく、公式妥結宣言をできないということ」として「両国通産長官が韓-ヨーロッパ連合FTAの事実上妥結を確認する」共同発表文を出したと説明した。

しかし国内時間で13日夜遅く出てきた共同発表文は「(両国の長官が)残余争点に対する最終合意案(a final compromise package)を歓迎する」となっていて、両国首脳会談発表で進展した内容はない。

政府の英文解釈にも異論の余地がある。通商専門ソン・キホ弁護士は「英語の‘compromiseという表現に対して‘合意’という解釈ができるか疑問」と話した。一般的に対外条約や関連交渉が妥結する場合、英文共同発表文には‘終結’(conclude)や‘合意’(agreement)のような単語を使う。

スウェーデン側の公式態度はどうだろうか? スウェーデン総理室ホームページに上がった報道資料によれば、題名が「ヨーロッパ連合と韓国の自由貿易協定に一歩さらに近付いた」とされている。その上「ヨーロッパ連合27ヶ会員国との自由貿易協定に関する交渉が現在進行している」という説明も付け加えた。誰が見ても交渉は妥結したのではなく進行中という意味だ。

主要外信報道内容も‘事実上妥結’とは距離がある。<ニューヨーク タイムズ>は13日「イ・ミョンバク大統領は交渉妥結を公式に宣言したがった」として「両国首脳が突破口を用意したという点を認めたが、レインフェルト総理はさらに用心深かった」と報道した。フランスの通信会社<AFP>は「年内にヨーロッパ連合が韓国と自由貿易協定を締結することを願う」というスウェーデン総理の話を主要内容として伝達した。またヨーロッパを代表する経済日刊紙<ファイナンシャル タイムズ>は両国首脳会談結果に対する記事をまったく扱わなかった。

政府関係者は「交渉妥結宣言の権限はヨーロッパ連合執行委員会にあるのでスウェーデンはそのような宣言をできない」と説明した。それなら権限のないスウェーデンとなぜあえて協定妥結の形を作ろうとしたのかという疑問がついてまわる。チェ・ウォンモク梨花女子大教授(法学)は「政府が終盤の争点だった関税払い戻し問題に対してヨーロッパ側に一種の‘セーフガード’(緊急輸入制限)を保障する形で妥協を見るなどヨーロッパ連合との自由貿易協定を過度に急いだ」と指摘した。イ・ヘヨン韓神大教授(国際関係学)は「イ・ミョンバク大統領のヨーロッパ歴訪に合わせ‘成果’を発表しようとするあまり相手方の意志と関係なく内容を過大包装したようだ」と解説した。

キム・ギテ記者kkt@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/366092.html 訳J.S