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サムスンテックウィン売却、社員は労組を結成して阻止の構え

登録:2014-12-01 08:47 修正:2014-12-01 14:15
[インタビュー]キム・ジョンイル サムスンテックウィン非常対策委員長
キム・ジョンイル サムスンテックウォン昌原第2事業場非常対策委員長(パワーシステム事業部、左)が同僚と「サムスン・韓火ビッグディール」事案に関連した対策を討議している。サムスンテックウィン売却反対非常対策委提供//ハンギョレ新聞社

「サムスンマン」を誇りに働いてきたが
社員との協議なしに売却決定され
経営失敗の責任をなすりつける
経営陣相手に法的対応をとる
非常対策委も労組に切り替えて活動

 「今までサムスンの“無労組経営”に応じ、事業と人力の構造調整があっても一度も労使紛糾することもなく情熱的に働いてきたが、社員との協議も一切なく売却を決められた。会社の経営失敗の責任をなぜ職員に押し付けるのか?」

 キム・ジョンイル サムスンテックウィン昌原(チャンウォン)第2事業場非常対策委員長(パワーシステム事業部)は30日に『ハンギョレ』とのインタビューで、「ただちに工場別の非常対策委を合わせた統合非常対策委を発足させ、売却反対運動を始める。非常対策委を労組に切り替えることにも合意した」と明らかにした。

 サムスンが先月26日にテックウィン、タレス、総合化学、トータルなど4社を韓火(ハンファ)に売却すると発表した後、テックウィン労働者は即座に非常対策委を結成して売却反対の動きに出た。テックウィンの労働者数は約4700人になり、売却対象の全労働者約7500人のうちの多数を占め、“サムスン・韓火ビッグディール”の今後を左右する台風の目になっている。テックウィン労働者のモバイル コミュニティ(「バンド」)加入者はすでに3000人を突破した。キム委員長は労組設立の申告を終えたサムスントータルと、同様に売却反対声明を出したタレス労働者とも連帯する意向を明らかにした。

-現場社員の反応は?

 「順調なサムスン電子の陰に隠れ“サムスンの隠し子”と陰口を言われながらも、サムスンマンの誇りを持って働いてきた。会社の一方的決定には脱力感や裏切りを越え怒りを覚える。創業者のイ・ビョンチョル元会長が1977年に事業で国家に寄与するという『事業報国』を掲げて設立した会社だし、イ・ゴンヒ会長も外国為替危機にあっても会社を守った。イ会長が病床に倒れなかったらこんな事が起きただろうか? 祖父と父が起こした事業を孫(イ・ジェヨン サムスン電子副会長)が勝手に整理するのは先代の遺志に反することだ」

-会社経営陣と社員間に事前協議はあったか?

 「一切なかった。売却決定後に社長が2~3分間の社内放送を通じ、韓火に移ってもがんばって仕事をしてくれと通知しただけだ。今後5年間の雇用継承方針もマスコミを通じて知った」

-2011年にキム・チョルギョ社長が就任して以来、事業の構造調整が続いた。まったく気づかなかったのか?

 「売上の停滞と利益減少が持続するなかで、今年に入り半導体部品事業部(MDS)の売却とケーブルテレビの国内生産中断がされた。チップマウンターの装備を作るMS事業部も整理説が飛び交った。このため社員が事業放棄の可能性を尋ねたことがあるが、経営陣は沈黙を通した」

-サムスンは売却理由としてうまくいく事業に集中する「選択と集中」の戦略を強調しているが。

 「同意することができない。航空機エンジンと部品事業は国内外の有名企業に納品し、K9自走砲など軍需事業は安定的な需要先がある。発電設備は高い技術力が認められている。利益余剰金が9月末現在に9800億ウォン(約980億円)に達する。問題は民需事業だが、経営陣が変わるたびに新規事業に失敗した。デジタルカメラなどそれなりの事業はサムスン電子に手放した」

-テックウィンは第1級の防衛産業業者だ。売却作業が軍の戦力に悪影響を及ぼす可能性は?

 「空軍の主力機であるF15などの組み立て整備の責任を負う唯一の会社だ。また、K9自走砲を生産する。軍需事業は品質が核心だ。テックウィンが動揺すれば軍戦力の運用に致命的結果を招くことになる」

-工場別に非常対策委が構成されたが?

 「まもなく第2、第3工場の非常対策委を合わせて統合非常対策委を構成することになるだろう。イ・ジェヨン副会長など経営陣を相手に法的措置をとり、韓火の実査も阻むつもりだ」

-非常対策委を労組に切り替えるという話が伝わる。

 「会社の無労組経営を受け入れ情熱的に働いてきたが、結局は労組がないから会社に一方的に決められた。今までの構造調整で何も言えなかったのも労組がなかったからだ。非常対策委を労組に切り替えるのに皆が志を同じくした。”

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.12.01 00:59

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/666853.html 訳Y.B

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