ウォーキングの運動エネルギーを電気に変えて、携帯電話などの電子機器を充電できる携帯用発電機。 未来型機器のアイディアとして注目されてきた製品中の一つだ。 今やそんな製品が実際に製作されていて、未来ではない現実になった。
カナダ オンタリオ州 キングストン市のクイーンズ大のQingguo Li教授と博士課程の学生Michael Shepertyckyは、いつでもどこでも電気を作れる革新的な携帯用発電機を開発した。 ‘GO KIN’という名前のこの装置は、5分間歩きさえすれば10~25分間通話できるだけの電気を携帯電話に充電できる。 歩く速度が速いほど充電量も大きくなる。 時速3.2kmで歩く場合には10分、時速5.4kmで歩く場合には25分間通話できるだけの電気が作られる。
バックパックやウェストポーチに付けて、ケーブルを足首と連結
GO KINは運動エネルギーだけを利用するので親環境的だ。 その上、ウォーキングをすれば健康にも良い。 早く歩くほど発電量も大きくなるので、運動効果もまた、錦上花を添えるだ。 特にこれまで開発された携帯用発電機が主に太陽とか風に依存したのとは異なり、GO KINは歩きさえすればよいので自然条件に束縛されることもなく、一日24時間いつでも利用可能だ。 製品が単純なので使い方も簡単だ。
機器をバックパックやウェストポーチ(腰のベルトに結ぶジッパー付の小さなカバン)に付けた後、機器の下側にある2本のケーブルを足首と結び付けて歩きさえすれば電気が作られる。 充電するにはスマートフォンやタブレット、バッテリーのような電子機器の充電ケーブルをGO KINのUSBポートに挿せば良い。 GO KINには2つのUSBポートがある。 また、非常時や歩けない状況に備えて、常に余裕の電気を作って貯めておくリチウムイオン電池も入っている。
GO KINプロジェクトは1年前にクイーンズ大の非営利特許仲介機構である‘パテク イノベーション’とアウトドア装備業者の経営者であるビル オストゥロムが手を握って始まった。 カヌー旅行の愛好家であるオストゥロムは、Qingguo Li教授の製品アイディアに膝を打ち、‘Go Kin Packs’という会社を作り、直ちに開発支援に乗り出した。 オストゥロムは現在、Go Kinの商用化と追加的開発資金準備のためにクラウド ファンディング サイトであるキックスターターを通じて資金を集めている。 募金目標は3万ドル。
当初非常に大きく重かったGO KINの重量は現在1.2kg(バッテリーを含む)まで軽くなった。 大きさも25x13x8cmと小型化し、今はバックパックに入れて通うのが負担にならない程度になった。 オストゥロムは商用化時までに製品の重量を0.5kg以下に減らして、携帯性をより高める計画だ。 オストゥロムはまたGO KINに付けて使用できる運動量測定アプリ機器‘Fit Kit’も開発中だ。
今年11月、初市販…運動量測定アプリも開発中
開発者であるQingguo Li教授はGO KINが商用化すれば、社会にも環境にも大きな影響を及ぼせると強調する。 Qingguo Li教授は一旦は野外活動愛好家からは強く歓迎されるだろうが、だが社会的には電気供給網がまともに備わっていない開発途上国や電気供給が途絶えた災難地域などでも便利に活用されうると期待している。 また、辺境地への移動が多い軍隊でも使途が多いだろうと予想している。 ‘Go Kin Packs’代表であるオストゥロム自身は、この製品をカヌー旅行の際に使う計画だ。 自身が旅行中に使わなければならない睡眠無呼吸症治療装備に電気を供給する携帯用装置が必要なためだ。
市販価格はまだ決まっていないが、オストゥロムは300~400ドル水準になるだろうと話す。 募金と開発計画が順調に進行されれば、来る11月に初めての製品を市中に出せると彼は展望した。
GO KINの商用化は各国のエネルギー供給システムにも少なからぬ意味を持っている。 再生可能エネルギーを主力とするマイクロ グリッド(局所電力供給システム)に続き、GO KINのような携帯型発電装備が一層小さな単位の電力供給システムの役割を果たす場面もあるためだ。 開発途上国の電気疎外地域や山間奥地の村のようなところが、この‘マイクロ マイクロ グリッド’の対象になりうる。
クァク・ノピル記者 nopil@hani.co.kr ▲クァク・ノピルの未来の窓 http://plug.hani.co.kr/futures