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‘スーパー富者’ 10大企業役員 平均報酬 17億…職員の22倍

登録:2013-08-11 22:41 修正:2013-08-11 22:42
儲かっている企業であるほど大きな報酬格差

上場企業平均格差は7倍
10大企業 役員報酬増加速度 308%
勤労者は29%、10分の1にとどまる

三星(サムスン)電子 報酬格差 73倍で1位
韓国タイヤ 68倍、CJ 65倍…
付加価値の低い流通業も13倍

 企業経営者が短期的成果を追求しながら過度な報酬を受け取ってきたことは、2008年に世界を襲った金融危機の一原因に挙げられている。 以後、資本主義社会で経営者が持っていく報酬は企業の内部問題に過ぎないという強力な通念も破綻した。 企業内で報酬体系が歪曲されれば、資本主義の全体システムに致命的な危機すら呼び起こしかねないということが明らかになったためだ。 企業経営が少数の大株主だけの専有物でなく、役職員と株主、消費者、供給者、銀行、地域共同体など様々な利害関係者などと深く関連しているという点を見る時、経営陣の報酬は企業内部だけの問題とは言えない。 来年から証券取引所に上場された企業の登記役員の個別報酬を公開するのも、このような脈絡から可能になったことだ。 外国為替危機以後、米国式人事および褒賞体系が急速に移植されながら、我が国の役員と職員間の報酬格差はますます拡大している。 企業内報酬格差は社会の両極化の一原因であり、その現象でもある。 <ハンギョレ>がこの間ベールに包まれられていた企業の褒賞体制と役員報酬の実態、その決定過程を巡る問題点などを探ってみた。

 ロバート・ライシュ前米国労働部長官は‘スーパーリッチ’という言葉を使って米国社会を説明した。 上位1%の金持ちの中でも、0.1%(1000人中1人)の少数に富が集中している両極化現象を示すためであった。 我が国の企業でもこういう現象が現れている。 儲かっている企業と業種であるほど、そうではないところより役員報酬がはるかに多く、職員と役員間の報酬格差もより大きいことが分かった。 企業内と外で同時に‘貧益貧 富益富’現象が起きているわけだ。

 11日<ハンギョレ>が有価証券の市場時価総額(株式価値の合計)を基準(7月末)として、上位10大企業(公企業を除く)の昨年事業報告書を分析したところ、職員と役員の報酬格差が平均21.7倍と調査された。 これら企業の職員1人当りの平均賃金が7894万ウォンである反面、役員の平均報酬は17億1320万ウォンだった。 分析対象の役員は会長と副会長、社長、副社長など社内登記理事に限定した。

 昨年上場企業(分析対象710社)の1人当り平均報酬は職員が6115万ウォン、役員が4億1918万ウォンだった。 上場企業全体職員の1人当り平均賃金は、時価総額10大企業に狭めた時には29%の増加に終わるが、役員報酬は何と308%も急増する。

 儲かっている企業の職員報酬が増えても‘スーパーリッチ役員’の報酬は比較できない程に急速に増え、これら企業で職員報酬と役員報酬の格差が一層広がる現象が現れている。

 時価総額10位以内には現代車グループ系列が3社で最も多く、次いで三星(サムスン)電子と三星生命など三星系列が2社、ポスコ、LG化学、SKハイニクス、新韓持株会社などが布陣している。 これら10大企業の中には、上場企業全体の中で報酬格差が最も大きい三星電子(73倍)が含まれている。 新韓金融グループのある高位役員は「役員報酬が高いところは、企業の規模と利益も大きいところ」と話した。

 上場企業全体の中で報酬格差が最も大きい10社は、三星電子と韓国タイヤ(68倍),CJ第一製糖(65倍),SK(60倍),永遠貿易ホールディングス(57倍),SKイノベイション(57倍),イーマート(56倍),ハンファ(53倍),メリッツ火災(49倍),三星重工業(48倍)の順だった。 永遠貿易ホールディングスとメリッツ火災を除けば全て財閥といえる大規模企業集団系列だ。

 公企業を除く30大グループの職員と役員間の報酬格差は24.8倍、100大企業は18.5倍と現れた。 やはり上場企業全体平均と比較した時、3~4倍程高い水準だ。

 上場企業全体を20ヶの業種(その他含む)で区分した時、通信業の職員と役員間の報酬格差が最も大きかった。 SKテレコム(SKT)とKT,LGU+の通信3社で構成された上場企業通信業種の役員平均報酬は約19億ウォンで、職員との報酬格差が29.4倍に達する。 これらの企業は寡占体制を形成し、多くの利益を出している。 反面、電気ガス業(3.5倍)は格差が最も小さい業種と現れた。 これは電気ガス業で最も大きな比重を占める韓国電力と韓国ガス公社などが事実上政府の賃金統制を受ける公企業だったためと見える。 不況を体験している建設業種の報酬格差も企業全体の平均より低い5.3倍を示した。

 付加価値が低いからと言って、役員と職員間の報酬格差が常に小さいわけではなかった。 内需業種で相対的に付加価値が低いと評価される流通業(13.1倍)とサービス業(9.8倍),飲食料品業(9.4倍)の報酬格差は平均を上回る。 報酬格差が大きい上位20社にこれらの業種で‘三銃士’に該当する企業が半分を越える12社に達する。 これらの大部分はLG、SK C&C,ロッテショッピング、新世界、CJ第一製糖、現代デパートなど主に財閥の持株会社または主力系列会社だ。

 金融業種も注目に値する。 これらの業種の報酬格差は、100倍を越える米国の‘ウォール街’ほどに高い水準ではないが、全体業種平均(6.9倍)より高い9.3倍を記録した。 金融業の役員1人当り平均年俸が6億3693万ウォンと調査されたが、今回の分析対象に株式型長期成果補償(ストックオプション)などが抜けているために相対的に低く出てきたと見られる。 したがって、実際に支給される金融圏の役員報酬はこれより大きく、職員の賃金との格差もさらに増えるものと見られる。 金融業職員1人当りの平均報酬は20業種の中で電気ガス業と運送装備業の次に高い6865万ウォンと調査された。

 分析対象である上場企業は国内の代表企業らだ。 したがって上場企業全体の職員報酬水準もまた、勤労者全体より高いほうだ。 これら企業の職員1人当り平均賃金(6115万ウォン)は、雇用労働部の事業体労働力調査上、我が国臨時・日雇いの年間1人当り平均賃金(1551万ウォン)と常用職1人当り平均賃金(3813万ウォン)よりそれぞれ3.9倍、1.6倍高い水準だった。 したがって儲かっている上場企業10大、100大企業役員の報酬と我が国勤労者全体、その中でも特に非正規職との報酬格差ははるかに大きくなる構造だ。

リュ・イグン、キム・ギョンナク記者 ryuyigeun@hani.co.kr

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三星(サムスン)電子社内理事 平均年俸 52億
110社の協力会社は2.5億で 5%水準
元請-下請 役員報酬も大きな格差

 三星電子と現代自動車など国内代表製造業者は数千社の協力会社を率いている。 ギャラクシー フォンやソナタなどの完成品が作られるまでに表面には見えない助力者たちがいるということだ。 このような助力者たちと供給網連鎖の最上部にいる完成品業者間の報酬水準はどの程度の差があるだろうか?

 11日、金融監督院の電子公示を見れば、三星電子は昨年クォン・オヒョン代表理事など社内理事3人に計156億ウォンの報酬を支給した。 1人当り平均年俸が52億ウォンであるわけだ。 1年が52週で構成されていることを念頭に置けば、三星電子の社内理事は平均的に毎週1億ウォンの報酬を受け取っていると見ることができる。

 <ハンギョレ>は三星電子の協力会社の中で国内証券市場(有価証券市場・コスダック市場)に上場された110社の報酬現況を調べてみた。 これによれば、これらの上場協力会社は昨年、計360人の社内理事に対して916億5700万ウォンを支給した。社内理事1人当り平均年間報酬は2億5460万ウォン水準であるわけだ。 三星電子の社内理事1人当り平均報酬の5%水準だ。

 これらの上場協力会社が勤労者に支給した報酬との比較結果は非常に劇的だ。 これら協力会社が去る一年間に勤労者3万5365人に支給した総報酬は1兆4703億ウォンで、勤労者1人当り平均報酬は2960万ウォンだ。 これに比べれば三星電子の社内理事の1人当り平均保守は176倍に当たる。

 最後に三星電子の勤労者保守も上場協力会社の報酬と比較してみた。 三星電子職員1人当り平均報酬は6970万ウォンで、上場協力会社で仕事をしている勤労者の報酬より2.35倍高かった。

 この分析で、三星電子社内理事が過去に与えられた株式報奨(ストックオプション・株式買い取り請求権)は含めていない。 これを含める場合、三星電子社内理事と三星電子勤労者、協力会社社内理事、協力会社勤労者間の報酬格差は、より一層大きくなる。 たとえばクォン・オヒョン代表理事の場合、2000年と2001年に合計3万株のストックオプションを行使して数十億ウォン台の差益を得た。 まだ売らずに保有中の三星電子株式は5500株で現在の市価基準での評価価値は77億ウォンだ。

 キム・チャンワン米国カンザス大教授(社会学)は「報酬格差は成果差の影響もあるが、ポジション(所属する位置)パワーの影響が大きい。 生産性と社会への寄与度は全く同じでも、ポジション パワーに基づいた報酬水準の格差が過度になれば全般的に企業と社会の効率性は下がる」と話した。

キム・ギョンナク、リュ・イグン記者 sp96@hani.co.kr

上場企業8千社の報告書 14年間分 一ヶ月かけて調査
CEO 1人の報酬は個別公示していないため‘ベール’
報酬データ どのように分析したか

 今回の調査は三星電子など1998~2012年の間、証券取引所に連続上場している企業457社と2012年上場企業710社の事業報告書などを分析対象とした。 追加分析と検証を経て8000件(重複含む)以上の報告書を開けてみた。 これら企業の売上と営業利益など基礎資料は、キム・ギシク民主党議員室の助けを得て取引所から受け取った。 売上額と営業利益は韓国信用評価資料(企業会計基準別途様式)を土台にした。 役員および職員の報酬は金融監督院電子公示システム(dart.fss.or.kr)に入り、各企業が公示した年間事業報告書で確認した。 この作業だけで一ヶ月以上が必要とされた。 かつては社内・外理事と監査(および監査委員)について役員報酬が統合公示されていた。 そのため注目度の高い会長・副会長・社長・副社長など社内登記理事の報酬推移を分けて見られなかったことは今回の分析の限界だ。 また、社内・外理事、監査に対する報酬が細分化され公示された以後にも、個別役員の報酬は公示されなかったために、最高経営者(CEO) 1人の正確な報酬実態を分離することはできなかった。 資料調査に東国(トングク)大経営学科パク・ジョンシク(27)氏、キム・ソヨン(23)氏、中央(チュンアン)大経営学科チョン・スンフム(22)氏の助力を得た。 この他にもペク・ムニョン延世(ヨンセ)大研究教授とウィ・ピョンニャン経済改革研究所研究委員らがデータ入力および分析方法などを助言した。

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/599124.html 韓国語原文入力:2013/08/11 20:00
訳J.S(4910字)