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三星(サムスン)電子 中国下請工場で‘児童労働’…1日11時間 酷使

原文入力:2012/08/09 07:58(2942字)

←三星電子の中国下請け業者である広東省、恵州のHEG電子が未成年者を雇用して超過勤務を強要するなど労働法違反行為をした事実が明らかになり論難がおきている。 HEG電子の工場で仕事をする幼い労働者が昼休みに休息を取っている。 中国労働監視提供

"HEG電子、学生の年齢を確かめずに契約…
監査会社、賄賂受け取り黙認"
時間当り僅か1400ウォンで1日11時間ずつ、1ヶ月28日勤務させ
水道・電気使用料に紹介費まで取り上げ病気になっても休暇を許さず解雇
三星が監査を任せたインターテックは不法黙過…
※HEG電子:<三星電子の中国協力業者>

 14才の少女ウシャオパン(仮名)は会社から追い出されたことを説明しながら号泣した。 去る2月から仕事を始めた工場でなぜ解雇されたのか理解できなかったためだ。 彼女は去る3月頃、寄宿舎から工場へ出勤して階段で倒れて負傷した。 だが、会社は病院に行く時間も病休も許さなかった。 寄宿舎で休んでいる他はなかった。 結局、彼女は6日間の賃金を引かれた月給を受け取った。 5月にも具合がとても悪く病休を申請したがも会社は許さなかった。 結局、彼女は寄宿舎で休息を取るほかはなかった。 会社は再び月給から3日分の賃金を差し引いた。 そして去る7月、会社は何の理由も説明せずに彼女を解雇した。 ウシャオパンは三星電子の中国下請け業者である広東省、恵州のHEG電子で働いていた。

 米国の非政府機構である中国労働監視が去る7日に発表した‘児童労働がある三星電子下請業者’という報告書の一部だ。 中国労働監視は去る6~7月の2ヶ月間に1人は工場で仕事をしながら、2人は外部で労働者にインタビューして調査を行った。 この会社は三星電子などに納品する携帯電話部品を生産したりDVDプレーヤーを組み立てている。 調査の結果、16才未満の未成年労働者が7人発見された。 また正確な数は把握できなかったが、日常的に児童労働が蔓延していることが明らかになった。 中国の労働法に違反しているわけだ。

 HEG電子の主な生産ラインには‘三星の固定資産’(fixed asset of Samsung)というラベルが貼られた機械が設置されている。 ここで常時2000人ほどが仕事をして、その中に未成年労働者が混ざっている。 三星電子所属の労働者も50人ほどが共に仕事をしている。

 未成年労働者は夏冬休みを利用してインターンをしに来た職業学校の学生たちと混ざる。 主に職業学校の教師たちがインターン学生たちと未成年労働者を一ケ所に混ぜて仕事場を見つけている。 報告書は 「未成年労働者が包装部門で仕事をしていることを学生たちと労働者も確認した」として「他の工場でも児童労働があると疑われる」と明らかにした。

 未成年労働者は1日に11時間ずつ週6日、月に26~28日勤務する。 ほとんどが立って仕事をする。 さらに仕事をする間に殴打されたりもする。 報告書は「スピードがのろかったりミスをすれば間違いなくチームリーダーが大声をあげ、さらには殴る場合もある」と明らかにした。 合わせて携帯電話部品を化学薬品を利用して洗浄する場合もあるが、これに関連した安全教育は全くなされていなかった。 そのように仕事をしても取り分は時間当り8中国元(約1400ウォン)に過ぎない。 延長勤労手当はまともに保障されない。 代わりに寄宿舎で過ごして使った水と電気の使用料30中国元(約5300ウォン)や働き口紹介費として200~300中国元(約3万5000~5万3000ウォン)が抜かれる。

中国労働監視は報告書で「インターテック(三星電子の要請で下請け業者の労働現場監査を行う)の見張役が工場からわいろを受け取る代わりに不法行為に目を瞑った事例も摘発された」として「実際にインターテックの監査報告書がこのような問題で無効になったことがある」と明らかにした。 イ・ジョンフン記者 ljh9242@hani.co.kr

三星電子の立場は

"今年2回 現場調査で摘発できず
再調査し問題があれば是正"

 三星電子は‘中国労働監視’の暴露に当惑した反応を見せた。 三星電子は今年二度にわたり現場調査を行ったが、中国HEG電子で児童労働などを摘発できなかったためだ。 三星電子関係者は「調査に出て行く前に該当業者があらかじめ措置を取ったのでないか」と話した。

 三星電子は2007年10月電子産業市民連帯(EICC)に加入した。 電子産業市民連帯は2004年グローバル電子業者が企業の社会的責任を全うしようとの趣旨で電子業界のグローバル行動綱領を発表しスタートした。 LG電子もやはり2010年8月に加入した団体で、会員会社は労働、倫理、環境、安全保健、経営システムなど5分野の行動綱領を遵守しなければならない。

 三星電子が出した‘2012持続可能経営報告書’の‘協力会社CSR’項目を見れば、児童労働禁止、勤労時間遵守、賃金および福利厚生、労災および疾病管理、大気汚染物質管理など遵守しなければならない必須事項20ヶの質問項目を通じて協力業者を評価するなど持続的に管理しているとされている。

 三星電子関係者は「電子産業市民連帯により毎年協力業者に対する調査を行っている」として「今回の問題提起により現場調査を行って問題があれば適切な是正措置をとる計画」と話した。 一方では三星電子の現場調査が積極的になされていないという指摘も出ている。 ある電子業界関係者は「労働条件や保健安全などを積極的に要求すれば、協力業者が不必要な経営介入と受けとめる感じる場合が多い」として「認識の転換が必要だ」と話した。

キム・ジンチョル記者 nowhere@hani.co.kr

‘中国労働監視’とは

ニューヨーク・深センに事務室を置くNGO
直接工場に就職して実態調査

‘中国労働監視’(China Labor Watch)は2000年米国、ニューヨークで設立された非政府機構(市民団体)で、この間 中国内の工場労働実態に対して調査を行ってきた。 おもちゃ工場をはじめ自転車、履物、家具、衣類、電子製品など領域も多様だ。

 アップルのiPhoneとiPadを下請け生産する富士康の劣悪な労働環境を暴露したのも中国労働監視であった。 直接工場に就職して労働現場を体験すると同時に労働者らとの面談を通じて過度な労働時間、不安定な労働環境などを告発した。

 現在は米国、ニューヨークと中国深センに事務室を置いている。 ニューヨーク事務室では中国内の労働環境に関連した報告書を出すと同時にグローバル企業を相手に改善を促している。 また、深セン事務室では中国内の労働環境を監視している。

イ・ジョンフン記者 ljh9242@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/546339.html 訳J.S