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"商売にはならないが一銭でも…" 休暇を失った自営業

原文入力:2012/08/06 21:52(1871字)

←6日午後ソウル、鍾路区(チョンノグ)、礼智洞(イェジドン)の広蔵(クァンジャン)市場で商人が営業をしている。 休暇シーズンだが半数以上の店は休暇に出かけることもできずに営業中だ。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

景気低迷で売上が大きく減ったが
市場商人らは休暇返上で営業
"店を休めば来てくれたお客さんも二度と来ない
年中無休認識でも持ってもらわないと"

 10日連続で猛暑と熱帯夜が続いている6日午後、ソウル、鍾路区(チョンノグ)、礼智洞(イェジドン)の広蔵市場。 通路の真ん中の露店で麻の半袖シャツを全て並べたキム・某(58)氏は売るために積んだ反物にもたれて団扇を使っていた。 「天井がアーケードでふさがれているので市場の外より暑いです。 他に方法もなくて、このようにじっと耐えています。」 市場商人会は去る1日から5日までを休暇期間と決めたが、キム氏はこの期間も出てきて店を守った。

 東大門区(トンデムング)、ソウル風物市場で登山服を商うキム・某(44)氏は 「昨年は休暇旅行に行ってきたが、今年はまだ特別な計画がない。 私がいるラインの15店舗中、現在までに休暇に行った業者は1,2ヶ所しかいない」と話した。 江北区(カンブック)総合市場で雑貨店を営むある商人は「昔は市場に店が一杯になっている時は休暇も互いに決めて行ったが、今は各自が適当に店を休みにして行く。 休日にもドアを開けた店は一銭でも稼ごうと出てくる」と話した。

 本格的な休暇シーズンをむかえたが景気不況と大型マートに苦しめられる自営業者は休暇も返上して商売を続けている。 広蔵市場商人会の話を聞いてみれば、商人会の公式休暇期間である先週末にも700余りの店舗の半分以上が店を開けていた。 これまで日曜日は常に休んだり隔週で休んでいたが、昨年後半から結婚用品や飲食店などを中心に毎週日曜日も商売をしている。 1人でも来てくれるお客さんを受け入れるため、休暇を最初からあきらめたケースが大部分だ。

 ユン・ヨンジェ広蔵市場商人総連合会長は「猛暑が始まる前の半月前と比較すると、全体的に売上が40%程度減っているが、休暇シーズンの週末も返上して営業する店が多い。 10ウォンを売っても大型マートなどとサービス競争で遅れをとらないためだ」と話した。

 商人会で食品部門会長を受け持っているミン・カンギ(57)氏は「直接訪れてくるお客さんが減ると店舗が販路を探すためにインターネットで広報するケースが増えた」として 「インターネットを見た若者が主に週末に市場を訪ねて来るので商売をせざるをえない」と話した。 広蔵市場の5坪余りの店でカーペットを商うパク・某(60)氏も休暇期間もずっと営業をした。  「お客さんがやっと市場に来てくれても店が門を閉めていたら二度とは来ない。年中無休という認識を持たせるために商うしかない」と話した。

 史上最高の猛暑を記録した去る5日、ソウル、西大門区(ソデムング)、新村(シンチョン)の飲食店マネジャー コ・某(33)氏は 「最近同じ種類の食べ物を売る競争業者ができて、週末のお客さんが3分の2に減って休暇もない」と話した。 コ氏は 「休暇シーズンに出てきて仕事をするのも売上上昇に役立つというよりは‘年中無休’と書いて貼ったので顧客との約束を守るために出てくるだけ」と話した。 直接的な売上よりは長期的なマーケティング効果を期待して休暇を自主返上しているということだ。

 自営業者が‘休暇’や‘休日’概念をなくした現象は統計でも確認される。 去る6月、統計庁が出した‘個人事業現況および特性分析’結果を見れば、5人未満の個人事業の中で休業日がない事業体は28.3%に達した。 特に宿泊・飲食店業の場合、休業がない比重が42.2%もなった。 月1~3日休業は26.4%、4~5日休業は26.8%であった。

 市場商人が仕事をすれば卸売市場から商品を持ってきて市場に運ぶ人々も仕事をする。 果物卸売店の前でトラックにスイカを載せてきた作業者は「その日暮らしに休日がどこにあるか。 仕事がなければ休暇だ」と話した。

イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/545940.html 訳J.S