原文入力:2012/06/04 21:29(2108字)
←全国経済人連合会傘下 韓国経済研究院主催で4日ソウル、太平路(テピョンノ)、韓国言論会館で開かれた‘経済民主化をどのように見るか、2012大韓民国への示唆点’討論会で参席者が討論している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr
韓経研‘経済民主化’政策討論会
財界 "国家介入 万能規範にはならない" 経済改革 反対世論を集め
経済民主化擁護者ら "財閥独裁を維持するという主張" 反論
全国経済人連合会(全経連・会長 ホ・チャンス)のシンクタンク格である韓国経済研究院(韓経研)が経済民主化の根幹になる憲法119条2項の削除を主張した。 4・11総選挙を控えて経済民主化と財閥改革が話題に浮上した時は反対の声を自制していた財界が、セヌリ党が多数党の席を占めた19代国会の開院を契機に反経済民主化の動きを本格化している。
韓経研は4日午後、ソウル、太平路(テピョンノ)、韓国言論会館で開いた‘経済民主化をどのように見るか’を主題にした政策討論会で発表した‘法的側面からみた経済民主化の限界’(シン・ソクフン先任研究委員)で「市場(の失敗)に対する国家介入の必要性を否定するものではない」としつつも 「(経済民主化の根拠条項である)憲法119条2項は解釈上の混乱を加重させるだけで削除した方が良い」と主張した。 韓経研は 「自由市場経済原則を明らかにした119条1項と経済民主化関連119条2項は原則と補完の関係なので、経済民主化条項を市場に対する国家介入の正当性を付与する万能規範のように認識してはならない」として「国民の自由と権利は国家安定保障、秩序維持、公共福利のために制限できるようにした憲法37条2項でも政府が市場介入できる」と話した。
憲法119条2項は‘国民経済の均衡発展、適正所得分配、市場支配力および経済力乱用防止、経済主体間調和のために政府が経済規制と調整ができる’と規定しており、経済民主化の根拠となる。 全経研幹部は 「財界が公式的には初めて憲法119条2項の廃棄を主張したと見ることができる」と話した。
韓経研は憲法裁判所がわが国の経済秩序として説明する‘社会的市場経済秩序’(ドイツモデル)に対しても「社会的という曖昧な概念により市場経済になりえない問題点を抱いている」として「ドイツでも国家の強力な介入を許容することによって論難が続いている」と主張した。 韓国研はまた「最近政界が経済民主化条項を根拠に経済政策を通じた成長と社会政策を通じた分配を同時に達成できるよう主張するのは間違い」 とし 「経済成長のための経済政策担当部分と分配、中小企業保護のための社会政策担当部分に区分することが望ましい」と主張した。
経済民主化を支持する法学者は韓経研の憲法119条2項廃止主張に反対している。 イ・サンヨン放送通信大教授(法学)は 「119条1項と2項は主従の関係ではなく、対等で統合的に理解しなければならない」として「例えば市場の失敗状況で政府が市場に介入して正さなければ、市場自体が存在できないため」と話した。 彼はまた「ドイツでも社会的市場経済秩序を語る時‘社会的’と‘市場経済’は主従ではなく対等な関係と解釈している」と説明した。
改革進歩指向の経済学者は韓経研の発表は財界に経済民主化の意志がないということを見せるものだと批判する。 キム・キウォン放送通信大教授(経済学)は「韓国経済の問題は経済民主化をまともに実践しないために生じたことであって、過剰適用して生じたのではない」として「財閥の経済独裁体制を正すことに反対し、継続維持するという主張に過ぎない」と指摘した。 また、市民団体は福祉を拡大しても両極化深化を招く既存成長戦略を守る限り、経済民主化を成し遂げることができないとし経済-社会政策の分離に反対している。 ウィ・ピョンニャン経済改革研究所研究委員は「英国の経済学者ケインズが金持ちから税金をさらに集めて低所得層に分配しようと主張したことは、国民経済全体の効率性を最大化する方案だと見たため」とし「経済政策と社会政策は分離できない」と話した。
全経研は19代国会の開院を控えて経済民主化と財閥改革関連立法案をめぐった議論が活発になることに合わせて反対の動きを本格化している。 全経研は各政党の福祉公約を履行するためにかかる費用を分析した内容と大-中小企業両極化が大企業の責任ではないという内容の報告書を相次いで発表する計画だ。 韓経研もこの日の討論会で政界が推進する大企業の不当な納品単価切り下げに対する懲罰的損害賠償制導入など下請け取り引き改善政策と中小企業事業領域保護政策に違憲の素地があるとして反対した。
クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/536086.html 訳J.S