原文入力:2012/04/25 23:15(1590字)
←2008年米国産牛肉の狂牛病論難が起きるや政府がその年の5月8日に主要日刊紙1面に出した広告.
米国の乳牛で狂牛病発生…政府 "通商摩擦の可能性" 対策 先送り
2008年 "米国で狂牛病が発見されれば直ちに輸入中断"
2012年 米国の顔色を見て検疫中断さえ保留
米国で狂牛病(牛海綿状脳症・BSE)事例が発生したが、わが国政府は25日関連情報が不足しているため通商摩擦の素地があるという理由で検疫中断措置を取らずに留保した。2008年米国産牛肉輸入交渉でわが国政府が国民健康の保護のための‘検疫主権’を放棄したという批判が提起されたことがあるが、このような憂慮が現実化しているという指摘が出ている。
米国農務部ジョン クリパード獣医学担当官は24日(現地時間)記者会見を行い「カリフォルニア州中部にある畜産物加工工場のある雌牛から狂牛病が発見された。 しかし狂牛病にかかった牛の肉は市中に流通していない」と明らかにした。 狂牛病が米国で発見されたのは今回が4回目であり、韓国が2008年米国産牛肉輸入を再開した以後としては初めてだ。 クリパード担当官は 「今回の狂牛病は非常に‘異例的な事例’で、感染した家畜を飼育した飼料が原因ではないということを意味する」と語った。 1993年英国で狂牛病が大規模発生した以後、米国では2003年ワシントン州、2005年テキサス州、2006年アラバマ州で狂牛病事例が確認された経緯がある。
わが国政府は2003年米国で狂牛病が発生した時に輸入を全面中断したのとは異なり、今回は輸入中断の前段階である検疫中断措置まで保留することにした。 ‘検疫中断’とは肉類輸入に問題がある場合、最も最初に下される措置で、検疫施行場での安全性検査を保留し米国産牛肉の国内流通を許容しないことをいう。
ヨ・インホン農林水産食品部食品産業政策室長は「米国側から提供された情報がきわめて制限的なので、直ちに検疫を中断する場合、通商摩擦の素地がありうる。 もう少し科学的な根拠を持って措置を取ってこそ試行錯誤を減らすことができる」と話した。 彼は「今回狂牛病が発生した米国の牛は30ヶ月齢以上の乳牛であり、痴呆と似た非定型狂牛病なのでその危険度が極めて低いと判断する」として、検疫または輸入中断に消極的な意中を表わした。
これは米国産牛肉輸入反対ろうそく集会が大きくなって行った2008年5月、農食品部が日刊紙に発表した公告文と正面から矛盾する。 当時、農食品部は5月8日付日刊紙に公告文を出し、米国で狂牛病が発生すれば△直ちに輸入を中断し△すでに輸入された牛肉を全数調査して△検疫団を(米国に)派遣して現地実態調査に参加し△学校および軍隊給食を中止すると明らかにした。 また、チョン・ウンチョン当時農食品部長官は国会‘牛肉聴聞会’で 「国民の食べ物に責任を負う長官として国民を安心させるにはこの道しかない。 通商摩擦が発生しても措置を取る」と話した。
当時、韓・米両国は牛肉輸入衛生条件交渉で、米国で狂牛病が発生しても世界動物保健機構(OIE)が米国の‘狂牛病危険統制国’地位を下方修正する場合にのみ、わが国政府が輸入中断措置を下せることで合意した。 これに対しわが国政府が検疫主権を放棄したのではないかという批判が出て、政府は日刊紙にこのような公告文を発表した経緯がある。
チョン・ウンジュ、キム・ヒョンデ記者、ワシントン/クォン・テホ特派員 ejung@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/529977.html 訳J.S