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"投資家-国家訴訟制、TPPに適用してはならない"

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/521923.html

原文入力:2012/03/04 21:15(1475字)

メルボルン国際専門家会議で憂慮・批判 相次ぐ
チリなど6ヶ国 経済学者、各国交渉人に書簡

 投資家-国家訴訟制(ISD)を環太平洋経済パートナー協定(TPP)から除外させなければならないという各国専門家の声が出てきて注目されている。 去る1日から10日までオーストラリア、メルボルンで開かれているTPP第11次会議で‘投資分野交渉人のための批判的見解’という市民社会団体主催の昼食セミナーが開かれた。去る2日、米国とニュージーランド、マレーシアなどから来た弁護士と通商法専門家たちが投資家-国家訴訟制の問題点をいちいち指摘して、チョン・ジョンベ民主統合党議員もインターネット画像電話で米国に再協議を要求する我が国の状況を伝えた。

 米国最大の市民団体‘パブリック シチズン’の国際貿易監視センター所長であり弁護士であるローリ ワルリクは「投資家が国家の政策を直接攻撃できるように保障することにより、国家と企業間の力の均衡をひっくり返す」と指摘した。これに関し米国で政治家はもちろん政府官僚、宗教人、市民社会活動家が相次ぎ憂慮を表わしていると伝えた。 実際、昨年8月米国州議会の連合体である米国州政府議会全国会議は 「投資家-国家訴訟制を導入した投資協定と自由貿易協定締結を支持しない」という決議書を採択した。 また、米国とオーストラリア、チリ、マレーシア、ペルー、ニュージーランドなど6ヶ国の経済学者100人余りが最近、国家が資本統制政策を展開できるように交渉しろとの内容の書簡を各国TPP交渉人に送った。

 ワルリク所長は投資家-国家訴訟制が急増する傾向だという点を強調した。 1950年代に制度が始まったが、世界銀行傘下の国際投資紛争解決センター(ICSID)で1972年から2000年までに決定した仲裁判定は50件にとどまった。だが、2000年以後には173件の仲裁判定が出されており、新しい事件も128件も加わった。特に昨年だけで38件が受け付けられている。

 このように訴訟が増加している理由を、マレーシアの市民団体である‘第3世界ネットワーク’のセニャ スミス選任研究員はローファームの活躍によると分析した。 スミスは「途方もない法律費用を狙ってローファームが手付金も受け取らずに勝訴すれば成功報酬を受け取ることを約定した後、投資家を代理して訴訟を起こしている」と話した。投資家-国家訴訟制の場合、仲裁人までが数億ウォンの報酬を受け取るため法律費用だけで数十億ウォンがかかり、国家が勝訴しても税金でその費用を抱え込まなければならない。

 投資家-国家訴訟制は労働政策も脅かすとニュージーランドの貿易労働組合所属の経済学者であるビル ローゼンバーグは指摘した。 彼はヨーロッパ系多国籍会社であるピエロ ポレスティなどが2007年2月、南アフリカ共和国の黒人優待政策が国際慣習法上の最小待遇基準に違反しているとし訴訟を提起したと明らかにした。 南アフリカ共和国政府はアパルトヘイト政策を廃止した後、黒人と白人の経済的格差を減らすため企業らが管理者と従業員の比率、所有持分などについて一定部分を黒人に配分するようにする政策を展開してきた。

チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr

原文: 訳J.S