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財閥一家‘親族グループ’分化しながら路地裏まで無限拡張

原文入力:2012/02/15 23:02(1450字)

"彼らだけの生態系拡大 固定化"

[0.1%財閥の国] ④ 韓国版スティーブ・ジョブスはなぜ出てこないのか

 財閥らが中小企業とベンチャー企業の成長機会を横取りするのは単に人材引き抜きと技術奪取などを通じて自らの競争力を拡大するためだけではない。 財閥も自ら統制できない自己増殖性が結局は中小企業とベンチャー企業の食い扶持を奪うところまで進ませている。

 三星(サムスン)と現代車、SK、LGなど国内代表財閥は胎動期がほとんど韓国戦争前後だ。イ・ビョンチョル(三星)、チョン・ジュヨン(現代)・ク・インフェ(LG)、チェ・ジョンゴン(SK)創業者は全員1907~1926年に生まれ、1980~90年代に兄弟や息子に経営権を譲った。

 経営権が継承される過程で一つの財閥がいくつかに分かれた。例えば三星は三星グループ、CJグループ、新韓グループ、ハンソルグループ、新世界グループ、普光グループなどを生み、現代は現代車グループ、現代重工業グループ、漢拏(ハルラ)グループ、現代グループなどの親族グループを形成している。

 このような分化は危険を分散するための事業多角化や新規事業進出を通じた新たな収益性発掘と同じ経営的次元で進行されたものではない。 子供の出生と結婚、分家のような通常の一般家庭で見られる家族史次元でなされた。

 問題は家族史次元で広がる相続と分家がまた別の財閥の誕生につながるという点にある。CJや新世界、現代重工業など資産総額が2兆ウォンを越える大財閥に成長したりもする。 もちろん三星から分家してできた新韓メディアグループのように没落するケースもある。

 このように後継競争から押し出されて形成された新生財閥まで現れながら、それこそ財閥の事業範囲と業種は無制限に広がることになった。 中小企業や中堅企業が長時間にわたり精魂込めて地位を固めていた事業領域も財閥が吸収し、未来市場を念頭に置いて参入したベンチャー企業家がよって立つ場所が次第に狭くなっている主な原因の一つだ。

 最近、路地裏商圏侵害論難を呼び起こした財閥によるベーカリー事業は、財閥の3次分化がなされている現在の状況とかみ合わさっている。 イ・ブジン(三星)、チャン・ソンユン(ロッテ)等、パン屋論議を引き起こした代表的な人物はほとんど財閥家3世女性たちだ。 財閥の分化が度重なる中で中小・中堅企業の食い扶持を奪うことを越え、路地裏商圏浸透にまで上り詰めているわけだ。

 国税庁のある幹部は「2000年代初中盤まで留学に行ってきた財閥2~3世が先進金融技法を名分として資本市場でマネーゲームを行い、社会的問題を起こしたが、最近は留学経験を生かして新事業に参入しながら小商工人らと路地裏商人の反発を招いている」と話した。

 このような点で李明博大統領が先月、パン屋論難に対して「財閥2~3世は趣味でするのかも知れないが、パン屋を営む立場から見れば生存がかかった問題」という発言は、本質から多少外れていると見ることができる。繰り返される世襲経営とその過程での財閥分化が結局、町内パン屋を市場から追い出しているためだ。

キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/519277.html 訳J.S