原文入力:2012/01/10 20:45(1796字)
チョン・ウンジュ記者
キム・ヒョンジョン前本部長に続き
キム・ウォンギョン駐米経済参事官
辞意表明…常務として行く模様
←イ・ゴンヒ サムスン電子会長がホン・ラヒ女史とともに10日午後、米国、ラスベガスで開催される世界消費者家電展示会(CES)に参加するため金浦(キンポ)空港を通じて出国している。 写真ニューシス
キム・ヒョンジョン前通商交渉本部長に続き、韓-米自由貿易協定(FTA)交渉時に核心的な役割をした外交官が‘サムスンマン’に変身する。 外交通商部は10日 「キム・ウォンギョン(45)駐米韓国大使館経済参事官が2月の定期人事を控えて辞意を表明した」と明らかにした。 サムスン電子米州法人の常務として移職すると発表されたが、サムスン電子関係者は「(移職を)協議中だが確定してはいない」と話した。
外交部出身の米国弁護士1号であるキム参事官は、外交官試験24期で韓-米自由貿易協定企画団総括チーム長を引き受け交渉を導いた。2009年からは駐米大使館で後続交渉など通商懸案を受け持ってきた。 サムスングループ関係者は「サムスン電子の売上全体の中で海外売上が97%に達しており、多様な分野で経験を積んだ通商専門家が今後さらに多く必要だ」と説明した。
これに先立って2009年3月には韓-米自由貿易協定を主導したキム・ヒョンジョン(53)前本部長がサムスン電子社長へ席を移し、海外法務チームを新しく設けた。 当時サムスン電子は「経済危機が長期化し各国政府が貿易規制措置を乱発するなど保護貿易主義の流れが広がっている」として、体系的で専門的な対応体系が必要で海外法務チームを構成すると明らかにした。 キム社長は三星電子の国外特許、反ダンピングなど国外法務と通商紛争を総括して昨年末に退職した。
大企業が通商官僚を迎え入れることは関連した国際紛争が増加していることとも密接な関連がある。 通商官僚は‘大韓民国代表選手’として外部に公開されない通商交渉過程を体験しているため協定を解釈する能力が卓越しており、それだけに国際紛争で有利になるためだ。その上、韓-米自由貿易協定の場合、両国通商官僚で構成される共同委員会が協定規定、付属書などすべての法律に対する解釈権限を持っていて、国際仲裁機構がその解釈に外れる判定を下すことができないようになっており、‘通商官僚の力’がより一層強大になっている。
企業ら、国際紛争に対備
協定解釈能力卓越した外交官迎え入れ開始
通商官僚の企業行が増えれば
企業のために国家情報活用し
企業のために国際交渉を導くか憂慮も
大企業関係者は「自由貿易協定で国外売上が大きく増える企業ならば、通商官僚の招聘は十分に考慮に値する」 として 「サムスン電子がスタートを先導した」と話した。 2000年序盤に判事、検事出身の‘専管法曹人’をサムスン電子が迎え入れるや他の大企業が後に従ったように、通商官僚に対する報酬もますます高くなるという展望だ。外交部内部ではすでに変化が感知されている。 経済通商に対する若い外交官たちの関心がどんどん増えて、人事の時に志願者も多くなった。 ある30代の外交官は「定型化された業務が多い政務職とは違い、経済通商分野は現場で足で走ってわが国社会全般に影響を及ぼしうる」として「機会があれば市場も経験したい」と話した。
だが、通商官僚の‘企業行’に対して憂慮の声も出ている。 通商交渉に参加して取得した国家の‘非公開情報’を、企業の利益のために活用する上に、通商官僚が大企業に有利に通商交渉結果を導くことになりかねないという指摘だ。通商法専門家であるソン・キホ弁護士は 「自由貿易協定が締結されれば大企業、中小企業、小商工人、農漁民などの利害関係が交錯せざるを得ないが、交渉で核心的な役割をした外交官が大企業へ相次いで席を移せば司法府の‘前官待遇’のように政府の通商交渉が国民の信頼を失う恐れがある」と憂慮した。
チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/514198.html 訳J.S