原文入力:2010-09-06午後07:58:49(2177字)
‘朝鮮語読本’出したカン・ジンホ、ホ・ジェヨン教授
チェ・ウォンヒョン記者
←カン・ジンホ誠信女子大教授(左側)とホ・ジェヨン檀国大教授が最近復元し出版した日帝時代朝鮮語教科書<朝鮮語読本> 5巻を見せている。出版された本の前に、この間 ホ教授が四方八方からうわさをたよりに捜し出し収集してきた<朝鮮語読本>原本資料が見える。
日帝強制支配期に使われた朝鮮語教科書が光復65年ぶりに政府と学界の無関心の中で2人の学者の献身的な努力の末に完全な形で復元された。カン・ジンホ誠信女子大教授(国文学)とホ・ジェヨン檀国大教授(国語学)は、日帝強制支配期に使われた朝鮮語教科書54種を捜し出し復元して、最近5巻揃の<朝鮮語読本>’として出版した。
古本屋・古物商を足で走り
20年間 私財で資料収集
強制占領期間 教科書 54種 復元
最近、ソウル、敦岩洞の誠信女子大 カン・ジンホ教授研究室で会った2人の学者は「<朝鮮語読本>は現在使用中の国語教科書の母胎のようなもの」として「近代国語の歴史を明らかにするために必ず必要な資料」と強調した。甲午更張の時、近代的教育システムが初めて導入された後に近代国語は統監時代・日帝強制支配期を経てその体系を整え、光復後にもその流れを受け継いだということだ。光復後に刊行された<初等国語教本>を<朝鮮語読本>と比較してみれば、60~70%ほどの内容が全く同じだということだ。したがって<朝鮮語読本>は国語の歴史を語る際に省けない資料であるわけだ。
しかし現実はそうではなかった。数年前から近代国語教科書に関心を持ち、研究し始めたカン教授はどこにも当時の教科書が見つからないということを知り驚いたという。資料を整えていなければならない韓国教育課程評価院や各種国語関連研究院・財団などでは、反対に「そのような資料ならホ・ジェヨン教授を訪ねてみなさい」と話した。
ホ教授は日帝強制支配期に62種の朝鮮語教科書が開発されたという事実を明らかにし、20年余りにわたり着実に昔の教科書を収集してきた。彼が資料を探す過程は文字どおり‘地べたをはいずる’だったと言う。「漁っていない古本屋・古物商はなく、会わなかった人もいないです。1999年、自家用車を買ったが10年間に45万kmを走るほどでしたから。」手の平ほどの薄い本一冊に50万ウォンくれという取引者の前で悩みに悩んであきらめたこともあったと言う。専ら私費で賄ったためだ。ホ教授は資料収集に 「アパート一軒は失った」と言う。
国語学者と国文学者として‘教科書復元’のための親友となった2人の学者は昨年、韓国研究財団に研究費支援を申請した。しかし結論として「これは個人がすべき仕事ではなく、国家機関がすべきこと」という理由で支援を受けられなくなった。カン教授は「国家機関がしないので個人が出てきたのに、それを理由に研究費支援を受けることができないとは本当に話にもならない」と話した。結局<朝鮮語読本>は専ら2人の学者の個人的力量に寄り添って復元された。
それでは<朝鮮語読本>はなぜ重要なのか? 日帝強制支配期に朝鮮での教育は併合後の1911年に公布された‘朝鮮教育令’に基づき朝鮮総督がすべての事項を管掌した。統監時代にあった<国語読本>と<日本語読本>が、この時から互いに席を入れ替わることになり、その後 日帝は‘皇国臣民’を作るための教育を展開した。<朝鮮語読本>を通じてこういう脈絡を明確に読みだすことができる。鐘が鳴ればお昼を食べて、笛が鳴れば体操をするなど、支配秩序に受動的に順応する主体ばかりが浮び上がる。率居、朴赫居世、韓錫俸など朝鮮の名士や神話的人物が登場するが、歴史的脈絡と背景をすっかり取り除き普遍的な教訓だけを伝える。教育課程の変遷過程も読むことができる。日帝が‘文化統治’を前面に掲げる時は朝鮮語教育がやや融和的に実施され、戦争を控え‘兵たん基地化’が進行される時には実用教育が強調される。朝鮮語抹殺政策を展開する時には朝鮮語教科が選択科目に転落する。カン教授は「我が国の教育の長年の弊害である‘教育の道具化’がどこから始まったものかを示す」と話した。
<朝鮮語読本>がその間、埋もれていた理由を診断し、2人の学者は学界に対して鋭い批判を投じた。「1次資料を収集するために足で走る学問風土がない」、「国語教育が特定集団により左右されてきたためだ」、「日帝残滓をきちんと清算できなかったためだ。」ホ教授は「<朝鮮語読本>は別の見方をすれば、当時のハングル学界と日帝間の妥協の産物」としつつ「過去を明らかにすることを憚る雰囲気が研究を困難に陥らせたと見る」と話した。カン教授は「過去をきちんと明らかにしてこそ現在、我々が克服しなければならないことが何かが現れる」として「さらに多くの後続研究がなされなければならない」と強調した。
文・写真 チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/438538.html 訳J.S