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ゴミに注がれる考古学界の視線…ソウルで学術大会開催

登録:2025-08-05 01:06 修正:2025-08-05 07:53
文化遺産研、6日にプレジデントホテルで開催 
韓国、イタリア、米国、メキシコのゴミ遺跡発掘事例にスポットライト
米国アラモゴードの埋立地から発掘されたアタリ社のゲーム。今回の学術大会の発表文に掲載されたリチャード・ロトハウス(Richard Rothaus)の写真=国立文化遺産研究院提供//ハンギョレ新聞社

 2014年、米国ニューメキシコ州の砂漠都市アラモゴードのあるゴミ埋立地が、世界の考古学界の注目を浴びた。2つの砂丘以外は識別さえ難しいこの埋立地は、1983年にゲーム会社「アタリ」の数千個のビデオゲームパックがトラックで密かに持ち込まれ、廃棄された場所だった。2014年にドキュメンタリー映画の制作陣が同地に目をつけたことで現場の発掘が企画され、考古学者たちが招かれて調査が行われた。生活ゴミに混ざってゲームパックの残骸が大量にあらわになったわけだ。この遺物の正体とどのようにして埋め立てに至ったかを確認する過程で、当時グローバルな文化として広まっていたゲームソフトの世界的な流通廃棄システムの実体の一部を歴史的に明らかにするという成果が得られた。

 21世紀の考古学の新たな領域を示したアタリのゲームゴミ発掘の異色の成果が、韓国に紹介される。国立文化遺産研究院は今月6日、ソウル中区のプレジデントホテルで「世界の考古学:ゴミ考古学」と題する学術大会を開催する。ユネスコ世界遺産条約の諮問機関で文化遺産分野の国際機関である文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)との共催だ。2023年6月に国立文化遺産研究院とICCROMが文化遺産の保存管理のために締結した業務協約に則った協力事業で、今年で3回目を迎える。世界の主な遺跡を中心に扱ってきた従来の学術大会とは異なり、今回の大会は世界的な関心事である気候変動を背景として、環境考古学的な視点から各国のゴミ埋立地の調査事例にスポットライトを当てるとともに、現代社会の痕跡が未来の遺産として有する意味を議論することを目的とする。

 紹介されるゴミ遺跡の発掘例は韓国、イタリア、米国、メキシコなどのもの。米国の学者ウィリアム・ロドニー・カラハーがアタリのビデオゲームの発掘例を解説する。釜山大学のイム・サンテク教授は「貝塚:忘れられたゴミ、記憶の遺産」をテーマに、新石器時代の貝塚から当時の食生活と環境を類推した研究成果を発表する。ソウル市立大学のシン・ヒグォン教授は、日帝強占期にソウル都心に建てられた近代建築物を紹介しつつ、当時の生活の様子と文化像を検討した研究内容を語る。ローマ帝国時代に使われた油つぼで作られたローマの人工の丘、モンテ・テスタッチョ遺跡についてのイタリアの研究者たちの考察も興味深い。発表後には韓国考古学会のイ・ソンジュ会長が座長を務め、「ゴミ考古学」の調査と保存、21世紀考古学の役割について討論が繰り広げられる。一般人も参加でき、研究員のユーチューブでの生配信も予定されている。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1211563.html韓国語原文入力:2025-08-04 18:47
訳D.K

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