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地球と衝突 2032年12月22日…確率1%を超える小惑星、現在の位置は

クァク・ノピルの未来の窓 
直径40~100m…リスクランキング1位
昨年末に発見された40~100メートル大の小惑星「2024YR4」を描写した絵。軌跡を分析した結果、2032年12月22日に地球に衝突する確率が1.3%、77分の1と推算された=米航空宇宙局提供//ハンギョレ新聞社

地球衝突確率が1%を超える小惑星が発見された

 現在、米航空宇宙局(NASA)が追跡する大型小惑星のうち、衝突確率が1%を超えるものはない。NASAは昨年12月クリスマスの直後、チリにある「小惑星地球衝突最終警報システム」(ATLAS)の望遠鏡観測を通じて発見された2024YR4という名前の小惑星の軌跡を分析した結果、2032年12月22日に地球に衝突する確率が1.3%、77分の1と推算されたと明らかにした。発見当時、地球との距離は82万9000キロだった。

 アリゾナ大学の月惑星研究所デイビッド・ランキン研究員はニューヨークタイムズに「衝突確率は無視できない数字だが、眠れないほどの数字でもない」と話した。

 この小惑星は発見直後、NASAジェット推進研究所地球近接天体研究センター(CNEOS)の小惑星軌道自動分析プログラム「セントリー」から地球衝突確率が0を超えるとの評価を受け、直ちにセントリーのリスクリストに登載された。しかし、その後数週間にわたって観測データが数百個追加され、衝突確率が高くなり、1%を超えた。

新たに発見された潜在的リスク小惑星「2024YR4」の公転軌道と1月30日現在の位置=カタリナ・スカイサーベイ//ハンギョレ新聞社

追加観測を経れば、リスク等級が下がる可能性もある

 現在、国際天文連盟(IAU)が基準としているトリノ等級基準によると、この小惑星の衝突リスク等級は3だ。トリノ等級は衝突の可能性が全くない0等級から、衝突が確実で地球全体を危険に陥れる10等級までの10段階に分かれている。

 衝突確率が1%以上の天体に付けられるトリノ3等級は、天文学者の注意を要求する10年以内に近接衝突の可能性がある天体だが、新たな観測を通じて0等級に再指定されることもありうることを意味する。

 トリノ3等級は、歴代の小惑星リスク等級の中で2番目に高いものだ。2029年、地球に最も近づく小惑星アポフィス(2004MN4)が一時、トリノ4等級天体に分類されたことがある。直径350メートル大のアポフィスは、今は100年以内には地球に衝突する可能性がない0等級の天体に分類されている。2029年4月、地球から3万1000キロの地点まで近づくが、衝突確率は4万5000分の1だ。

 NASAは「地球衝突確率が0を超える物体が発見されることは珍しいことではない」として、「過去にも同じ等級に到達したが、さらに多くのデータが追加され等級が下がったことがいくつかあっただけに、この小惑星も0に再調整される可能性がある」と明らかにした。

 欧州宇宙局はパレルモ等級による潜在的リスク小惑星1744個のうちリスク順位1位にこの小惑星を挙げた。

 パレルモ等級は、小惑星の衝突確率と予想衝撃を合わせて表示したものだ。負の数値は衝突確率がきわめて低かったり、衝突しても微々たる被害しか発生しないということを、正の数値は衝突確率が高く衝突時に深刻な被害を招く恐れがあるということを意味する。この小惑星のパレルモ等級は-0.53だ。

これまでの観測データを基に推定した衝突可能地域候補=skyandtelescope.orgより//ハンギョレ新聞社

衝突すれば広島型原爆の500倍の爆発力

 小惑星の大きさは40~100メートル(平均57メートル)と推定される。正確な大きさを推定するためには、小惑星の表面光反射率を知る必要がある。天文学者たちは、この小惑星が2028年12月に地球に再接近する際に大きさと衝突確率をより正確に把握できると期待している。

 このくらいの大きさの小惑星が衝突したら、どれほど大きな被害を受けるだろうか?

 1908年、シベリアのツングースカに落ちた隕石が直径40メートル大だった。この時の衝撃で2150平方キロの森が破壊された。大きさが100メートルなら、ほとんどの都市を破壊しうる。欧州宇宙局によると、この大きさの小惑星は数千年に1度の割合で地球に衝突する。

 NASAの暫定推定によると、小惑星の衝突エネルギーは8メガトンで、1945年広島に投下された原子爆弾から放出されたエネルギーの500倍以上であり、ツングースカ爆発のエネルギーと同等だ。

 これまでの観測データを基に推定した衝突可能位置は、メキシコ近隣の東太平洋と南米北部、中部アフリカ、インド北部をつなぐ地域のどこかだ。

 欧州宇宙局はしかし「一般的に小惑星の軌道と関連したデータが蓄積されるほど衝突確率は0に収斂する傾向がある」として「潜在的衝突候補地を判断するにはあまりに早い」と明らかにした。トリノ等級の開発者であるリチャード・ビンゼル教授(惑星科学)は、宇宙メディアアーススカイとのインタビューで「すべての可能性を確かめてみた時、この小惑星は観測データが追加され1等級に下がったが、将来0等級に落ちたり直ちに0等級に落ちるだろう」と話した。

 ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のアンディ・リブキン研究員は「だが、そのようなデータを得るまでに数年かかることもありうる」と話した。

 現在、この小惑星は地球から4800万キロメートル離れた距離にあり、秒速13.5キロメートルの速度で地球から遠ざかっている。軌道周期は4年、近日点は1億2700万キロ(0.85AU)、遠日点は6億3300万キロ(4.23AU)と推定される。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1180144.html韓国語原文入力:2025-02-01 16:23
訳J.S