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生後5カ月のシギ、飛行距離「世界新記録」…初挑戦で1万3560キロ

[アニマルピープル] 
アラスカから飛んで11日でオーストラリア南部に到着 
大海原の上を、時速51キロメートルで休まず羽ばたき 
雄の成鳥が昨年立てた記録を500キロ超える
西海側の干潟はオオソリハシシギが繁殖をするために必ず必要な生息地だが、韓国、中国、北朝鮮いずれも急速に失われている=ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 孵化してたった5カ月の幼いシギ、アラスカからオーストラリア南部まで最長距離を休まず飛び、渡り鳥の長距離飛行記録を更新した。

 ニュージーランドのシギ保護団体のプコロコロ・ミランダ水鳥センターは25日、ツイッターを通じて「オオソリハシシギの新しい飛行記録が立てられた」と明らかにした。センターは「初飛行に出たこのシギは、アラスカからオーストラリアのタスマニアまでの1万3560キロメートルを11日と1時間かけて休まず飛び、同じ種のシギが昨年立てた1万3050キロメートルの記録を更新した」と明らかにした。オオソリハシシギは太平洋を横断してオーストラリアとニュージーランドで越冬し、翌春には朝鮮半島の西海(ソヘ)岸を経てアラスカで繁殖する中型のシギだ。

オオソリハシシギは大洋を毎年往復する超長距離旅行者だ=ポール・ヴァン・デ・ヴェルデ、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社
初の越冬飛行に出た幼いオオソリハシシギ234684の飛行軌跡。鳥の背に付着した小型の衛星追跡装置によりリアルタイムで得た記録だ=プコロコロ・ミランダ水鳥センター提供//ハンギョレ新聞社

 234684という足環の番号をつけたこの幼いシギは、10月13日にアラスカ海岸を発った。アリューシャン列島を遠回りに迂回したため経路が長くなったが、ハワイ西側を経て大海原を平均時速51キロの速度で飛んだ。

 飛行の終盤で南太平洋に入り、キリバス、バヌアツ、ニューカレドニアなど通り過ぎたが着陸せずにニュージーランドとオーストラリアの間へと南下し、23日、右に急旋回してタスマニア北東のアンソンズ湾に着陸した。

群れをなして飛ぶオオソリハシシギ。上昇気流に乗ったり滑空する形でエネルギーを節約する他の海鳥とは異なり、休まず羽ばたきをする=イアン・カーク、ウィキメディア・コモンズ提供//ハンギョレ新聞社

 これまでの最長距離飛行記録は、同じオオソリハシシギの成鳥の4BBREWが2021年に立てた1万3050キロで、アラスカからニュージーランドまでノンストップで飛んだ。このシギは、2020年に自分が立てた1万2000キロの記録を更新した鳥だった。センターは「幼い鳥が、成鳥の雄の記録を軽々と越えてしまった」と書いた。

 他のオオソリハシシギたちは6週間ほど前に越冬の旅に出たが、この幼いシギはさらに長く極地に留まり、脂肪を蓄積したものとセンターは推定した。オオソリハシシギは長距離の旅の前に、必要な臓器以外の内臓の大きさを減らし、空いた部分に脂肪を蓄えて休まず羽ばたきをするのに必要な栄養分と水分を供給する。

2020年に最長距離飛行の記録を立てたオオソリハシシギ4BBRWの飛行経路。西海側の干潟を経由した=プコロコロ・ミランダ水鳥センター提供//ハンギョレ新聞社

 センターは「オオソリハシシギがオーストラリアとアラスカの間を毎年移動して生涯飛ぶ距離は、月まで往復する距離に匹敵する」とし「少なくとも1羽がそのような隊列に加わった」と明らかにした。

 しかし、オオソリハシシギが繁殖地へと向かう際に栄養分を補充する重要な寄着地である韓国西海岸のセマングム干潟をはじめ、中国や北朝鮮の干潟が失われてきており、個体数が急激に減っている。

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/ecology_evolution/1064465.html韓国語原文入力:2022-10-27 15:18
訳C.M

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