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1年8カ月ぶりに日本市民と再会果たした「少女像」

登録:2021-07-07 06:36 修正:2021-07-07 07:07
名古屋で11日まで展示予定 
座って少女像に目線を合わせる観客も 
右翼の攻撃で東京と大阪での展示は実現せず
今月6日、日本愛知県名古屋市の公共展示場「市民ギャラリー栄」に展示された「平和の少女像」=名古屋/聯合ニュース

 2019年、日本最大の国際美術展「あいちトリエンナーレ2019」で、右翼の抗議により展示が一時中止された「平和の少女像」が1年8カ月ぶりに日本で再展示された。

 6日、愛知県名古屋市の公共施設である「市民ギャラリー栄」で開幕した「私たちの『表現の不自由展・その後』」に、日本軍「慰安婦」被害者をモチーフに製作された「平和の少女像」(以下少女像)が展示されたと、共同通信などの日本のマスコミが報道した。

 「名古屋テレビ」の放送には、同日の観覧客の中には少女像の前に座って少女像と目線を合わせる人も見られる。展示された少女像は駐韓日本大使館前にある少女像と同じ形の作品で、少女が座っている姿だ。主催側は混雑を避けるため、1時間に50人ずつだけ入場させていると同放送は報じた。少女像のほかに写真作家アン・セホン氏の「重重-中国に残された朝鮮人日本軍『慰安婦』女性たち」、裕仁天皇の姿が映されたコラージュ作品を燃やす場面を撮影した大浦信行氏の「遠近を抱えてPart2」が展示されている。2019年8~10月に開かれた国際美術展「あいちトリエンナーレ」の企画展示「表現の不自由展・その後」の企画展展示作品の一部が再展示されたのだ。

 日本における少女像の展示は、2019年の「あいちトリエンナーレ」以来、1年8カ月ぶり。2019年の展示の時も、多くの日本市民が少女像の隣に置かれた椅子に座ったりして少女像と目線を合わせる姿を見ることができた。「表現の不自由展・その後」には少女像だけでなく、天皇を素材にした作品など、日本社会の代表的なタブーに正面から向き合う作品が多かった。右翼の抗議と脅迫で「表現の不自由展・その後」企画展全体が3日で中止されたが、あいちトリエンナーレ閉幕3日前に再開された。あいちトリエンナーレ閉幕後も少女像の展示が進められたが、右翼の抗議と攻撃で実現しなかった。

 先月、東京で少女像を含む「表現の不自由展」展示会が開かれる予定だったが、展示場側は右翼の攻撃のため、場所提供に難色を示した。大阪でも右翼の攻撃後、安全上の理由で展示が許可されなかった。

 今回の名古屋展示は11日まで開かれる。「名古屋テレビ」によると、展示場の「市民ギャラリー栄」側が「安全が確保されるのであれば開催する」という立場を示したという。ただし、右翼はこれまで組織的な抗議または脅迫で安全上の懸念を作り、展示を延期・取り消しまたは中止させた前歴がある。今回の名古屋展示にも右翼が集まって抗議したという。また、9日から11日までは今回の展示に反対する内容の展示会が同じフロアで開かれる予定だ。この展示は公然とヘイトスピーチを行なう代表的な差別団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長が関係する団体が申し込んだものだと、朝日新聞が報道した。

 「表現の不自由展」実行委員会は1日、名古屋で展示を行うと知らせるメッセージを発表した。当時、メッセージで右翼の攻撃があったが、展示を応援する日本市民も多かったと書いた。また「今必要なのは芸術家も観客も展示企画者も知恵を集め、力を合わせて不当な攻撃を許さないこと」だとし、「名古屋展の成功を心から祈り、連帯していきたい」と強調した。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1002394.html韓国語原文入力:2021-07-06 17:02
訳H.J 

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