原文入力:2009-09-04午後07:14:46
女性差別 ‘壁’ 越えるまでの涙ぐましい闘争史
チェ・ヒョンジュン記者
←英国のエモライン ペンクホスト(1858~1928)が女性参政権を要求するデモを行い警察に逮捕されている。女性参政権運動の象徴だった彼女は一年に12回も監獄に行った。
<青少年のための両性平等の話>
イ・ヘジン著/パラジュニア・10000ウォン
イタリアのある病院ですべての赤ん坊に同じように黄色の服を着せる実験をした。普段から赤ん坊をよく世話した看護師らは性別区分が難しくなるや赤ん坊をどのように扱うか分からなくなり慌てる様子を示した。生まれてから男性と女性に対する差を何時の間にか強要され男女の性役割が社会的に与えられる姿を示す事例だ。
この本は青少年目の高さに合わせて、男女の性役割に対するやさしい紹介で始まり、両性の平等に接近する苦痛過程につながる。相変らず足りないが男性と同等な地位を確保するための女性たちの努力は至難で手に余るものだった。両性平等の第一歩といえる参政権でさえ20世紀初期にようやく与えられ始めた。スイスのような先進国も1971年に女性に投票権を許した。1870年黒人奴隷に参政権を与えた米国は女性によるホワイトハウス前の鎖デモと40万人を越える署名運動の末に1920年女性参政権を認めた。アラブ圏国家のサウジアラビアは‘月経が政治的判断を曇らせる’という理由で未だにこれを認めていない。
世の中の半分を占める女性に一票の権利が与えられてまだ日が浅いことは、女性に対する根深い社会的偏見と経済的背景が作用している。産業革命以後、人がすることを機械が代ることになり、男性は外に出て行き生計の責任をとり、女性は家庭に残って面倒見をするのが ‘まんざらでない家族’ の姿と見なされた。こういう傾向は20世紀中盤まで続き、能力を発揮する機会を失った数多くの女性が ‘主婦うつ病'と診断されたのも1960年代になってからだった。人類が生きてきた記録である歴史さえ徹底的に男性中心に書かれ女性は無視された。
←<青少年のための両性平等の話>
女性学者である著者は女性差別の歴史とこれを克服してゆく過程を人類学・社会学・歴史学など多様な方面から整理した。目標読者層である中・高校生が役割モデルとすることができるよう両性平等のために激しく闘争し男女差別の厚い壁を崩した女性たちも多数紹介されている。「私たち皆が全世界60億人口中にただ一つだけの非常に独特で特別な存在として自由に ‘私らしさ’ を発揮する時、私たちの人生はさらに幸せになる」ということが著者の響き大きな指摘だ。
チェ・ヒョンジュン記者haojune@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/375015.html 訳J.S