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[コラム] 絶滅危惧種韓国ヒョウの復元

登録:2015-01-13 11:18 修正:2015-01-17 17:27
ロシア「ヒョウの地国立公園」の韓国ヒョウ。安定した個体数を維持しているが、近親交配の危険性が大きい。 WWFロシア支部提供。 //ハンギョレ新聞社

 ロシア政府は昨年4月、ロシア極東のラゾフスキー自然保護区域に約50頭のヒョウ集団を復元させる計画を承認した。現在野生として残る韓国ヒョウ(アムールヒョウ)は世界で30~50頭しかない。北朝鮮とロシアの国境地帯である沿海州南西部に唯一の繁殖集団があるだけだ。このヒョウは世界に9種類あるヒョウ亜種の中で最も急で差し迫った絶滅危惧種であり朝鮮半島が最大の棲息地だった。国際的にはアムールヒョウあるいは極東ヒョウと呼ばれるが、韓国の専門家たちの間では「韓国ヒョウ」と呼ばれることもある。

 豆満江(トゥマンガン)一帯にわずかに残る韓国ヒョウの保全にロシアと中国が乗り出したのだが、韓国と北朝鮮は関心を持っていない。最も積極的なロシアは2012年にヒョウ棲息地を「ヒョウの地国立公園」と指定した。しかしあまりにも集団の規模が小さいので不安なでならない。まずは近親交配の危険が高い。動物園にいる韓国ヒョウは野生より5倍も多く遺伝多様性も豊富だ。伝染病が広がれば一瞬にして集団が壊滅することもある。アフリカのセレンゲティ国立公園で犬ジステンパーが広がりライオン集団の45%が死ぬこともあった。今回の復元計画は韓国ヒョウ絶滅の危険を減らすための保険でもある。

韓国ヒョウの現在の分布地(赤部位)。ロシア自然資源部を提供する。//ハンギョレ新聞社

 朝鮮半島南部でヒョウが最後に生け捕りされたのは1962年に慶尚南道陜川(ハプチョン)においてだった。この韓国ヒョウはかつ動物園があった昌慶苑に移された後1974年に死んだ。日帝強制占領期中の1919~1942年の間に624頭を「害獣をなくす」ため大量に捕獲して殺した後、かろうじて生き残った韓国ヒョウは1970年代以後韓国で痕跡を断った。

 虎とヒョウを一緒に指す「韓国ヒョウ」は朝鮮民族にとり特別な意味をもつ自然遺産であり文化遺産だ。崇礼門(南大門)のように復元しようという声もある。最上位の捕食者が生態系で行う重要な機能も最近になり注目されている。

 専門家は韓国に野生のキバノロが30万頭、猪は10万頭にもなると推定する。虎、ヒョウ、オオカミなど捕食者が消えた影響が大きい。人との接触を避け生態系をひっそり生き返らせる最上位捕食者の復元を慎重に見極めようとする主張が説得力を持つ。

 復元するなら、対象はその緊急性や狭い土地面積と多くの人口などを考慮し、虎よりはヒョウになるという意見が多い。国立生物資源館の依頼を受け韓国ヒョウ保全基金が実施した基礎研究でも「虎の復元を短期間で行うのは事実上不可能だがヒョウの復元は可能性がある」とし、「ヒョウ復元のための妥当性の検討をただちに始めるべき」との結論を出した。

 ヒョウ復元の最適地に選ばれる場所は非武装地帯(DMZ)一帯だ。政府が初めて2009~2010年に中・西部非武装地帯を調査した時もヒョウのような大型捕食者の痕跡を期待したが、山羊やジャコウジカばかりが多かった。南北関係が悪化し調査が中断された非武装地帯東部山岳地域に軍が昨年無人カメラ30台を設置した。調査結果は5月頃出てくるが、ヒョウが出現すると予想する専門家はあまりない。国内にヒョウがいないという結論が出されれば、江原道の華川と楊口にある白岩山と白石山地域と非武装地帯をつなぐ地域が最適候補地になるだろう。

チョ・ホンソプ環境専門記者兼論説委員//ハンギョレ新聞社

 奇しくもヒョウ復元の可能性が最も高い非武装地帯と豆満江は今後開発が集中する場所でもある。政府が非武装地帯世界平和公園を作ると言いだすと京畿道と江原道を中心に非武装地帯観光開発方案が目白押しだ。豆満江河口一帯をめぐる多国籍都市造成など各種開発構想も多く出されている。

 ヒョウを復元するなら、この二つの地域の乱開発を防ぎ生態開発を導く均衡の役割を果たすことになるだろう。非武装地帯は朝鮮半島の3大生態系のうちの一つで、豆満江河口は朝鮮半島と沿海州をつなぐ生態軸の関門だ。

 ロシアのヒョウ復元事業は今後12年間かけて十分な研究と検討を経て推進される。費用は55億~110億ウォン(約6億~12億円)程度と推定される。ソウル大学獣医学部のイ・ハン教授の言う通り、このくらいなら韓国にもできないことはない。韓国ヒョウが朝鮮半島の生態軸を守る守護神として復活する日を期待したい。

チョ・ホンソプ環境専門記者兼論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.12 18:47

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/673207.html 訳Y.B