先週末、観覧客1000万人を超した映画<7号房の贈り物>の興行突風に警察が時ならぬ‘心痛’を感じている。 単純に数字上で見れば全国民の5分の1が観た映画の中で警察が社会的弱者を抑圧する旧時代的組織に描かれているためだ。
<7号房の贈り物>は主人公である‘ヨング’(リュ・スンニョン)が警察庁長官の娘を殺害したという寃罪を着せられ入った監獄内で起きるハプニングを描いた映画だ。 ヨングは凍りついた道で滑り頭を打って意識を失った警察庁長官の娘を生かすために人工呼吸をする過程で、目撃者によって‘未成年者強姦殺害犯’にされてしまう。 警察はヨングが事理分別が難しい知的障害者という弱点を利用して被疑者の抗弁を無視し彼を殺人犯に追い込む。
映画な中でヨングの潔白を信じる‘監房’同僚が彼の無罪を主張する抗弁をするが、警察庁長官が直接ヨングを訪ねて行き暴行を加え、彼に有罪を強要する。
このような内容の映画が観覧客1000万人を超えて、警察は言うに言えない‘心痛’を感じている。 警察庁スポークスマン室関係者は 「この間、警察を否定的に描いた映画は多かった。 あまり気を遣わない」と明らかにした。 だが、一線警察官の反応は‘激昂’そのものだ。 さらに映画の‘監修’を検察がしたのではないかという疑惑のまなざしまで送っている。
警察庁で捜査権調整を担当する部署のある職員は「家族と共に映画を観たが顔を上げられなかったという同僚が多い。 一方的に警察を人権弾圧組織に追い込む内容と見て、検察がシナリオ監修をしたみたいだ」と話した。 彼は続けて「どのみち捜査権が検察にあるので事件捏造がなされたとすれば検察の責任が最も大きいのに、映画の中では無念にも警察だけが加害者になったようだ」とトーンを高めた。 別の一線警察署の幹部級警察官も 「家族と映画を観ている間中不快だった。 現在の警察を第5共和国時期の警察と誤解しているようだ」として不満を表わした。
<7号房の贈り物>だけではない。 先週末ボックスオフィス1位を占めた映画<新世界>でも警察が権謀術数を日常的に行う卑劣な組織に描かれている。 映画では警察が秘密裏に暴力組織にスパイを投じて、不法な情報収集を日常的に行う違法組織として描かれている。 これに警察首脳部は "私は知らない" とし何もいわない。
このように最近人気を呼んでいる映画が全て警察を‘卑劣な組織’として描いていることに対して、市民社会は「十分にありうる状況」と口をそろえている。 オ・チャンイク人権連帯事務局長は「最近‘国家情報院コメント’事件で無理に捜査中間結果を発表したキム・ヨンパン ソウル庁長の例に見るように、国民は警察を権力者数人にもてあそばれる組織と見ている。 警察が全くでたらめだとして無視するのではなく、どのように組織を改革すべきか熟慮しなければならない」と話した。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr