会社員ソ・インジン(29)氏の今年の目標は‘本100冊読破’だ。 ソ氏が新年に入って初めて手にした本はハン・ホング聖公会(ソンゴンフェ)大教養学部教授の<特講:ハン・ホングの韓国現代史の話>だ。 小説やエッセイを楽しみながら読んできたソ氏にとって現代史の本は珍しい選択だった。
大統領選挙のためだった。 「大統領選挙の時、朴槿恵(パク・クネ)候補の歴史認識問題で騒々しかったじゃないですか。 ところが自分が恥ずかしかったんです。 正修奨学会とか人民革命党事件とか内容がよく分からなかったんですよ。」 ソ氏が気まずそうに話した。
‘現代史の勉強’はソ氏だけの誓いではない。 大統領選挙以後、若い読者たちが韓国現代史に光を当てた本を先を争うように求めている。 大統領選挙期間に火が付いた‘過去事論難’を契機に、20-30世代が‘歴史を正しく知ろう’と乗り出したものと分析される。
インターネット書店イエス24・アラジン・インターパークなどの説明を総合すれば、大統領選挙後2週間に韓国現代史関連書籍の販売量が以前に比べて多い場合は30倍近く増えた。 販売量が増えた本の中で代表格は、4巻で構成されたハン・ホング教授の<大韓民国史>シリーズだ。 イエス24で大統領選挙前2週間に97セットが売れたこの本は、大統領選挙後2週間には911セットが売れて販売量が10倍に急増した。 アラジンでも同じ期間に同書の販売量が70セットから516セットに増えた。
現代史を分かりやすく解説したソ・ジュンソク成均館(ソンギュングァン)大史学科教授の<写真と絵で見る韓国現代史>も‘現代史勉強熱風’をリードしている。 イエス24の資料によれば、大統領選挙前の2週間に27部が売れたこの本は、大統領選挙後の2週間には660部も売れ、販売量が24倍に急増した。 同じ期間にアラジンでも25部から821部に販売量が増えた。 インターパーク側も「大統領選挙前の1週間に3部売れたこの本が大統領選挙後の1週間には328部が売れた」と明らかにした。
現代史勉強に飛び込んだのは主に20~30代の女性という点も目を引く。 イエス24の分析資料によれば、<大韓民国史>購買者の30.7%が20代の女性であり、30代女性が23.1%で後に続いた。 30代の男性は17.2%を占めた。 <写真と絵で見る韓国現代史>の購買層もやはり20代女性が48.3%、30代女性が21.4%で全体の70%に肉迫した。
イエス24 人文・社会担当キム・ソングァンMDは 「大統領選挙期間に過去事イシューがたくさん提起された状況で、最近政治的関心が高まった若年層が自分たちが体験できなかった過去事を正しく知ってみようと考えるようになった」と解説した。
‘soli**'というIDのネチズンは、イエス24ホームページに残した<特講>読書後記で 「今回の選挙を契機に我が国の近現代史をもう一度勉強してみなければならないと決心して読んだ。 私は生物専攻の理科生だ。 しかし、歴史というものがどれほど重要なのか、過去をなぜ見て回らなければならないのか少しは分かったようだ」と明らかにした。
オム・ジウォン記者 umkija@hani.co.kr