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[マガジンesc] 成人用品店 社長‘常連顧客が来ても知らぬフリ’

原文入力:2012/07/26 15:54(2774字)

←ソウル、東大門区(トンデムング)のある成人用品店の内と外。 建物の3階部分に位置して外部からは中を覗き見ることはできない。 内部もやはりショーケースが自然な仕切りになっていてお客さんどうしが視線を合わせずに済む。

一山で成人用品店を営むキム氏の話…バイアグラ 物質特許が満了し営業困難に

"角地の一階がコンビニには最高でしょう。 私たちはそのような場所で営業すれば100%滅びます。"

 京畿道(キョンギド)一山(イルサン)の商業ビルの3階部分に位置した成人用品店。 主人のキム・某氏は立地条件を尋ねる記者を哀れそうな目で見つめた。 あなたならば遠慮なく入れるかと。

 駐車場側に面した窓には、真っ赤な地にボールド体で書かれた‘成人用品’の看板が目立っている。 印刷媒体やビラ等を通じた広告を出来ないため、遠くからでも目につく場所に注目を集める看板を掲げたのだ。 実際の出入口は側面に90度曲がってしばらく離れたところにある。 出入りするお客さんの身分が露出しないようにとの配慮だ。

 "入口付近をぐるぐる回って帰る人が多いのです。 よっぽどでなければここを訪ねて来ますか。 残念です。 必ず必要な方々は電話で注文した後に建物の入口で受け取ったりもします。"

 キム氏はお客さんが特別な性的趣向を持っているわけではなく好奇心いっぱいの20代から一歩遅れて恋人ができた80代に至るまで平凡な人々だと語った。 40,50代が最も多いというが、何も知らずに子供を一人か二人作って、ある程度家庭が定着した後に夫婦間の性生活の楽しみに目を開き、もう少し刺激的な何かが必要になったのではないかと推定した。

 「常連はいないと見るのが正しいのです。 しばしば来ると言ったところで、一月に一度であるから意味がありません。 顔なじみだとしても知ったフリをすることはできません。してもいけません。 それがここで通じる不文律です。」保険や自動車業界が顔面営業をするのとは違い、不特定多数が主な顧客だ。

"角地の一階、私たちはそんなところで営業すれば100%滅びます"

 お客さんが売り場に留まる時間は5分余り. 長くても10分だ。 主人とお客さんの対話は殆どない。 大慨は必要なことをあらかじめ書いて来て用品の場所を尋ねるのがすべてだ。 主人は尋ねられた時に応対するだけで、お客さんの動態には無関心なフリをする。 商品を選んでくれば使い方をごく簡単に説明するだけだ。 それさえも省略するのが常だ。

 お客さんとお客さんの間も断絶している。 自然な仕切りとして、なるべく商品を積みあげておく。 自分の他に他人の存在が刺々しいでしょう。 同じ時間帯に留まるとしても他人が何を探しているかわき見したり、正面から顔を見つめるのは話しをしなくてもタブーだ。 注目が留まる場が内密な私生活の延長であるためだ。

 決済はほとんどが現金。 やむをえずカードを使う時は明細表に業者の名前がどのように印刷されるのかを先に確認すると言う。 実際、成人用品店は卸小売業に分類されている。 それも玩具店。 言われてみれば取り扱い品目が大人のおもちゃだ。

 お客さんが個別に入って出て行く風景はオンラインでも同じだ。 彼が運営するオンライン カフェの会員は200人余り。 会員たちはカフェで幽霊のように情報を貰う。 あるいは質問を上げたり用品を注文する場合、用事が終われば自身の痕跡を必ず削除する。 それで掲示板はいつもガランと空いている。 したがって会員間の情報交換はない。

 包装紙が黒いビニール袋であるのも同じ脈絡だ。 一旦包装すれば内に何が入っているか分からない。外に出れば酒とか、菓子とか区分されない‘商品’になって親密な関係がなされる空間ではじめて‘物’に変わる。

 公的な断絶の裏面には隠密な空間での口コミが前提になっている。 使ってみたらどうだったなどの同じ年齢集団の酒席談話が情報となる。 口コミは薄い信頼を土台にした伝播経路。 したがってアキレス腱でもある。 一度評判を落せば致命的になるのはそのためだ。

“熱心に仕事をした人々に褒賞次元ででも性的な楽しみを回復できるよう助けなければなりません”

“一度でも品質に問題があるといううわさが広がれば直ちに売上に影響を与えます。 品質管理に気を使わざるを得ません。”

 最近、用品店の相次いだ廃業も品質に対する不満が累積したことが原因という説明だ。 彼は先日、隣り合った商店街のある売り場が廃業したとして、新製品の動向に鈍感で、価格の安い中国製の販売に未練を捨てられなかったことが理由だと指摘した。

 彼は去る5月バイアグラに対する物質特許が満了し非公式薬品販売に惰性的に依存してきた売場が大きな打撃を受けたと業界の近況を伝えた。

 “成人用品は一定の材質や規格などの品質基準がありません。輸入と流通が陰性的になされるためでしょう。 一度使った方々が不満を感じなかったことから推し量って問題がないと見なすだけでしょう。 ここでは便りがないのが朗報です。”

 ソウル、東大門(トンデムン)近くの成人用品店. 主人のパク・某氏は「私たちが天から降ってきたか、地から湧いたか」と反問しながら、当局のかたくなな法適用を糾弾した。 あふれても困るだろうが、息をつく空間は与えなければならないのではないかということだ。

“最も強情そうなところが税関です。 性器と形が類似しているからとして公式的には補助用具を通関させません。 義手と義足が手足と似ているからと言って取り締まらないでしょう?”

 彼はいつまでもストイックな儒教伝統にこだわるのかと言いながら、もう日陰の成人用品を表に引きずり出しても良い程に私たちの社会が成熟したと話した。 開業して8年になるという彼は最初の4~5年までは家族にその事実を隠していたと打ち明けた。

 “我が国の40~50代は本当に哀れです。 男たちは外で死ぬほど働いて、主婦もやはり国家の労働資源を再生産するために心配しながら相互間の切ない感情を失っています。 熱心に働いた人々に褒賞次元ででも性的な楽しみを回復できるように助けなければなりません。”

 彼は徒手体操も良いがヘルス器具を利用するのも悪くないのではないかと反問した。

文 イム・ジョンオブ記者 blitz@hani.co.kr・写真パク・ミヒャン記者 mh@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/esc_section/544218.html 訳J.S