本文に移動

[パク・ノジャ コラム] ファシスト殺人魔が韓国を好く理由

原文入力:2011/08/04 19:31(1715字)

←パク・ノジャ ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学

2011年7月22日、ノルウェーで未曾有の虐殺を行い世界を驚かせたファシスト確信犯プレイビクが韓国と日本を‘模範的国家’と褒め称えたことは多くの韓国人に衝撃を与えた。昔の言葉では 国威宣揚、今風に言えば‘グローバル コリア’を国内人の多数が好むが、人面獣心の殺人魔が親韓派と知らされることは鳥肌が立つことに違いない。しかし、事実驚くべきことでもない。プレイビクだけでなくノルウェーを含むヨーロッパ等の極右の多数は大韓民国を非常に慕っている。彼らが理想とする‘血統に基づく国家’、‘単一文化国家’、‘兵営国家’、‘競争力最大化に没入する国家’とはまさに大韓民国そのものだからだ。

プレイビクが具体的に称賛したことは、韓国の移民政策、すなわち避難民の定着を不可能にさせ他民族構成員の流入を防ぐことにより事実上‘単一民族’の骨格を無理矢理 維持させる政策だ。プレイビクだけでなく数多くのヨーロッパ極右がその政策を熱烈歓迎する。ヨーロッパも韓国も同じように第3世界出身の低賃金労働が作る超過利潤で資本蓄積と拡大再生産の過程を促進しているが、それなりの自由民主主義秩序が整えられたヨーロッパでは外国人労働者を絞り取りながらも少なくとも彼らに大部分の場合には定着と社会編入の機会程度は提供せざるをえない。自由民主主義の内容が殆どない表皮に過ぎない韓国は自国資本が負担しなければならない間接費用を最小化しながらひたすら短期的に集中搾取して3~4年後には外国人労働者を送りだしてしまう。社会編入の機会は、韓国で血統主義的規則に従い与える。韓国人家庭の一部分となった結婚移住者や血統的に‘我が民族’構成員と認識される海外同胞、北側出身はその機会を制限的ながら享受できるが、‘我々’と血統ないし家族関係を持たない絶対多数の他者は‘我々’にとってただ永遠の他者として残るだけだ。ヨーロッパ ファシストには、そのような社会を嫌う人がどこにいるだろうか?

プレイビクは移民者以外に‘文化的マルクス主義者’や女性主義者に対する憎悪心を示した。 彼が理想とする社会は、単一的な保守的価値を完ぺきに共有し、文化・理念的‘離脱’をきちんと防止する社会だ。やはりその部分でも大韓民国こそが彼の選好度1位国家にならざるをえない。‘資本主義研究会’のような最近の公安事件に見られるように、ヨーロッパ ファシストらの‘模範国家’である大韓民国では、マルクス主義を探求すればすぐに収監の身になることが未だ現実的に十分可能なことだ。ところで大部分の善男善女はマルクス主義であれ、修学能力試験・就職と関係がないいかなる知識領域でも、恐れというよりは単に3~4才から殺人的な学習労働に苦しめられ探求するだけの余力がないだけだ。 さらには男性たちの場合には、ヨーロッパ人が最もよくマルクス主義など‘異端思想’に陥る青春期に2年間も‘不穏書籍’を読むことが物理的に不可能な軍隊に行ってこそ名実共に大韓民国の市民権を享受できる。女性たちの場合には、いくら理論的に女性主義に同感しても容貌と優しさと‘女性らしい’態度が就職と出世に大きな影響を及ぼす状況では結局、大慨は家父長的社会の規律に服従せざるをえない。‘危険思想’について考えてみる余裕もなく男も女も各自自分なりの方式で自身の身体と心を鍛練し自分個人の競争力と‘国家競争力’を育てることに没入する社会 - それがファシストの夢でなければ果たして何が夢になりうるか?

私たちはすでに今、ヨーロッパ ファシストらの未来ユートピア社会で生きている。私たちが差別と搾取、兵営社会の規律と家父長的秩序に土台を置いた社会に満足するのか、あるいは闘争と変革の道を選ぶかは結局、私たち自身が決めなければならないことだ。 ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/490412.html 訳J.S