原文入力:2008-12-10午後07:25:53
チョン・ジョンフン弁護士
チョン・テイルは<勤労基準法>という‘本’から希望を発見する。しかし当時現実の労働法はただ装飾物として機能する飾りに過ぎなかった。彼が夜を明かして読んだ勤労基準法にも最低賃金制の根拠規定があったが施行されずにいた。1970年、彼は結局、法典に火をつけて自らを燃やして要求する。“勤労基準法を遵守しなさい!”最低限の生存を守るための当然の主張に命をかけなければならなかった時代であった。
40年余りの時間が流れた。その当時の法が労働者を保護するという空砲に過ぎなかったとすれば、今日の法は銃口を労働者に向けてねらう装填された銃となった。非正規職保護法が代表的だ。そして最近の経済危機を名分に最低賃金法改正というもう一つの弾丸を装填しようとしている。月80万ウォンにもならない最低賃金を攻撃するために報告書と建議文を書いて出す経済団体、これをすぐさま反映して法律案を提出する国会議員ら、そしてその法案を支持する労働部長官、 彼らは崖っぷちにいる人生に対する侮辱を法律に入れようとする。
最低賃金法は労働者の最低‘生存’を要求するだけで‘尊厳’ある人生を要求しはしない。最低賃金は子供らの大学登録金に対する悩みや、借家一間用意する希望を話すのでもない。統計庁が発表した33才以下未婚単身勤労者の月平均生計費の137万ウォンにもはるかに達し得ない。最低賃金は単にある個体が人間として、この社会で生きていくことができる最小限の基準を冷たく宣言するということであるだけ。ところで然るにいったい何をさらに譲歩しろという話なのか? どうやってこれ以上、犠牲を甘受しろということなのか?
“高齢者と未熟練勤労者たちの雇用を活性化するために「最低賃金制の緩和を推進するという労働部長官の話は2008年年末最悪の冗談だ。本当に賃金を分け合い働き口を増やそうということがあなた方の発想ならば、この間天井知らずに上がった経営陣(CEO)たちの年俸を制限し、とんでもない法案を発議する国会議員らの歳費を制限する法律を作ってやりなさい。こういう接近が違憲的で反市場的だと? 崖っぷちの限界状況に追い込まれた労働者の生存を威嚇して働き口を作るという発想は反人間的だ。
大恐慌以後、最悪の経済難を克服するために米国が選択した方式は私たちとは違う。労働者らの作業場占拠座り込みに対する当選者オバマの評価は「労働者たちが絶対的に正しい」ということだ。また彼は労働組合の結成権を改善する‘労働者自由選択法’を支持して「私たちは労働者の組織化を通じて私たちの労組を強化しなければならない」と宣言する。米国は労働者の生存と尊厳の基礎の上で危機を克服しようとするオバマから‘大胆な希望’を確認している。
私たちはどこに希望を発見するべきか? 財界-国会-政府とつながる浅はかな認識の閉鎖回路を覗いて見れば、息がつまるように苦しいだけだ。彼らの報告書,法律案,政策には人間の‘尊厳’はもちろん‘生存’に対する一抹の考慮もないように見える。
本当にそうなりはしないと信じる。しかし、もし最低賃金法改正案が国会を通過し法律として効力を持つようになったなら、私は私のすべての法典からその部分を破って便器に投げ入れてしまおう。そして言わねばならない一言は“糞の塊り!”。人間を根本から侮辱するそれは法でない。法典の破り捨てられた場所には‘搾取の尊厳性を保障する法治国家’という題名の白無産の詩を挟んで入れるだろう。詩の一部をあらかじめ引用しておく。“そうだ、大韓民国は法治国家だ/お前達だけで労働者を弾圧するために/作った法で治める国家だ。”
チョン・ジョンフン弁護士