原文入力:2011-01-24午前08:53:28(1201字)
大統領府が三湖ジュエリー号船員救出作戦をイ・ミョンバク大統領の功績として必要以上に飾りたて、眉をひそめさせている。イ大統領は21日、救出作戦が終わった後、異例のテレビ生中継を通じて談話を発表した。 参謀の建議で用意されたというこの日の放送でイ大統領は「昨日(20日)国防部長官に人質救出作戦を命令した」と自ら命令したことまで明らかにした。 見て良い感じは決してしないところだ。
このようにイ大統領を前面に出して持ち上げる大統領府のやり方は、作戦中に取っていた態度とは完全に違うものだ。少なくとも何日か前までは大統領府参謀達は「作戦は現地部隊が判断して進めるものであり、大統領府は結果報告を受けるだけ」と言っていた。 救出作戦が失敗した場合に引受けなければならない負担を避けようとする慎重な対応だったわけだ。 こういう態度は救出成功以後にはさっと変わった。 大統領府報道官は「大統領が何日間か考えに考えたあげくこれ以上遅滞させてはいけないという判断を下し、作戦を命令した」として大統領の決断を浮彫りにした。 状況が不透明な時は後ろに退いていて救出に成功するや自画自賛に熱を上げていると言われても仕方ない。
その上、政府はイ大統領が最初に作戦成功の知らせを国民に告げる形にしようとして記者達との間で神経戦まで繰り広げた。 国防部は当初作戦が終了すれば速かにマスコミにブリーフィングするということを条件に報道規制(エンバーゴ)を要請しておきながら、いざ作戦が終わってからはぐずぐずしていた。 政府の顔色を伺い、大統領談話のあとにマスコミ報道が出るようにしようとしたわけだ。 記者達は国防部のこうした態度に反発して大統領談話が始まる5分前に関連報道を送りだした。 人質になった船員と作戦に出た軍人の安全を考慮して報道規制に協力した言論機関を最後の瞬間に締め出そうとするやり方は責任ある政府が取るところではない。
政府のイビツな言論観はその後にも現れている。 国防部高位関係者は報道規制要請を受け入れなかったいくつかの言論機関に対し、政府の全部署次元の取材制限措置を検討すると明らかにした。 すべての政府部署が当該報道機関の記者の出入りを禁止したり資料提供を拒否できるという話だ。 これは明白な過剰対応だ。 報道規制の可否を最終的に判断するのは政府ではなく各報道機関である。 その上、言論は国民の知る権利に奉仕する機関であって政府広報のカバン持ちではない。 大統領の功績を過度に浮彫りにしようとする試みは逆効果を産むだけだということを政府は知るべきだ。
原文: 訳A.K