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[おい! 韓国社会] 私たちの常識

原文入力:2010-11-10午後08:28:48(1622字)
キム・キュハン<コレガ クレッソ>発行人

西欧式社民主義の代表的な国であり‘旧左派的事由に対する根本的な省察’と見なされるポストモダンの元祖であるフランスで、ティーンエージャーが‘階級闘争’と‘資本主義反対’を叫び街頭を行進している。最近では問題の核心は金融資本だから、銀行から口座を抜いてしまおうという運動にまで広がっている。彼らはサルコジ政権が触発した問題を、サルコジを‘ネズミのような奴’と罵りカタルシスを満足させるのではなく問題の本質を考え、その本質に接近している。問題の本質を考え本質に接近する彼らは恐らく問題を解決できるだろう。

フランスの状況はフランスだけの状況ではなく、ヨーロッパ全域の状況でもある。持続する新自由主義金融化で‘資本主義に対する最善の解決策’と見られた社民主義が有名無実になりながら、苦痛と不安定に陥ったヨーロッパ人民たちはゼネストと大規模デモ等を通じて現実に対するもう少し確かな解決を要求している。ヨーロッパ政治もまた素早く急進化している。新自由主義に抱き込まれた社民主義政治も勢いを失う代わりに資本主義反対を明確にする社会主義政治が力を増している。

フランスとヨーロッパの状況は韓国と克明に対比される。極右指向のハンナラ党が中道保守を標ぼうし、伝統的な保守(自由主義)政治勢力の民主党は進歩福祉を標ぼうする反面、進歩政党と言われる民主労働党と進歩新党は右傾化を繰り返したあげく、今は保守(自由主義)政治と区分しにくい状況だ。さらに急進的な政治勢力が取り付くシマさえないのは当然のことだ。ヨーロッパ政治は問題の解決のために急進化しているが、新自由主義金融化による人民の苦痛と不安定がヨーロッパよりはるかに深刻な韓国政治は反対に問題をひっくるめる方向に向かっている。

状況の筋道を捉えなければならないいわゆる進歩知識人らの姿はより一層情けない。フランスではティーンエージャーが‘階級闘争’と‘資本主義反対’を叫び街頭を更新しているが、それよりさらに力強く‘階級闘争’と‘資本主義反対’を叫んでもなお不十分な社会の進歩知識人らが‘階級’や‘資本主義反対’というのはグローバルな感覚を持った人はしてはならない やぼったく古い単語と感じている。 彼らの関心はひたすら李明博だ。目を開いてから眠りにつく時まで、すでに李明博を嫌っている人々を相手に李明博を嫌うという事実を強調することが彼らの進歩的実践だ。

しかし、今日の現実は李明博の単独作品ではなく、雇用なき成長と不安定労働をゴリ押しし、資本の投機活動による損失を正直に働き暮らしている人々に押し付ける新自由主義金融世界化と、その流れにむやみに追従してきた金大中・盧武鉉・李明博3政権の共同作品だ。これは偏向した左派的見解ではなく、ひたすらファクトであり常識だ。フランス ティーンエージャーの常識であり、根本のある経済学者だが自身は左派でないことを明確にしているチャン・ハジュン氏も数年間にわたり繰り返している話だ。

韓国の進歩知識人らは李明博政権の交替を‘常識の回復’と話す。李明博式新自由主義から金大中・盧武鉉式新自由主義に帰ることが常識の回復という話だ。私たちが李明博よりさらに至急に抜け出さなければならないことが、まさにこの常識という名前の非常識だ。この非常識から抜け出ない限り、私たちは一歩も前に進むことはできない。要するに私たちの常識はこの不正な世の中が金大中・盧武鉉・李明博の共同作品だという事実を不快さをはねのけ認める瞬間から回復できる。今、私たちの首都で新自由主義金融世界化の持続を謀議するG20会議が開かれている。

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/448095.html 訳J.S