原文入力:2010-09-05午後06:10:34(1714字)
←チョン・ヨンジュ言論人
韓国放送公社社長として5年2ヶ月間 仕事をした。私たちの社会の一方からは‘左偏向放送を主導したアカ’と、他の一方からは‘進歩で包装された保守バカ’‘米国スパイ’等の悪口を言われた。そうした中で韓国放送は私の在任期間に‘信頼度1位、影響力1位’の席を享受した。時代精神の‘自律’を大きく拡大し、上司の命令に服従する垂直的な官僚組織を、‘参加’の水平組織に変えた後に出てきた成果だった。大きな成果だった。
ところで個人的にこれよりさらに大きなやり甲斐を感じられるようにした政策が一つあった。その成就は私の心の中に深い響きと感動、虹のような美しさを与えたことであり、さらに大切なほどだ。地方大割当制を中心にした新しい社員採用方式だった。米国の‘アファーマティブ アクション’(弱者保護政策)の精神を韓国放送公社で実現したかった。さらには準租税性格の受信料で運営される公営放送社としては‘真の平等’の実現と‘多様・均衡の社会構成’のために当然しなければならない責務でもあった。
知恵を集め、いくつか重要な変化を試みた。最初に、地域放送要員の半分はその地域大学出身者を優先的に選ぶ‘地方大割当制’だった。二番目、選抜全過程で応募者の出身地域、出身学校、家族状況に対する記録を全てなくす‘ブラインド審査’だった。学校序列と出身地域に対する先入観と偏見が天罰のように刻印されている韓国社会で、それを根源からなくすことは大変重要な出発だった。三番目、経済条件によって影響を受けるほかはない英語点数比率と重要性を低くした。四番目、障害者に10%加算点を与えた。五番目、年齢と学歴制限を全てなくした。
これらを導入した結果、初年度の2003年末の公開採用時から驚くべき結果が出た。特に‘地方大割当制’‘ブラインド審査’は驚異的な答を出した。計136人の新入社員を選んだが、地方大を出た新入社員が何と49人で36%を占めた。特に記者・プロデューサー・アナウンサーの場合、以前は地方大出身がほとんど一人もいなかったが、記者10人、プロデューサー17人、アナウンサー4人が地方大出身だった。障害者の場合も2000年に1人合格した以後はなかったが、2003年末に4人が合格した。驚くべきことではないか。
5年の間新入または、経歴入社者を出身学校別に集めてみると、真に多様で派手だった。 まずソウルのいわゆる名門大出身の‘圧倒的寡占’現象が消えた。
5年間に606人の新規採用があったが、この内‘名門大’という‘SKY’(ソウル大・高麗大・延世大)出身は175人で、29%にとどまった。ソウル大が1位にもなれず、2位に押し出された。
5年間に合格者を出した大学数が何と81校にもなり、その構成は全国にわたり真に多様だった。初めて聞いた学校もいくつかあった。1人の合格者を出した大学が30校、2人の合格者を出した大学が14校、3人の合格者を出した大学が8校など、その構成が多様であり、分布は全国的にまんべんなく広まっていた。虹のように美しかった。どの大学出身でも入社後には全員が仕事を良くこなした。考えも健康的だった。
私たちが採択した地方大割当制は、地域放送社員の半分だけに適用された‘部分的’なものだった。全国圏にまで拡大したとすれば、さらに良い結果が出たと思う。このような‘地方大割当制’‘ブラインド審査’等を国家と公企業で実施するすべての採用試験に導入し、一般私企業でも積極的に採用するならば私たちの社会が今、頭を痛めている教育問題、特に名門大入学のために幼い時から担わなければならない残酷な無限競争と序列化、教育両極化などの多くの問題が解消され、全国の均衡発展も自然になされるだろうと信じる。意味ある結果は5年間、韓国放送公社の直接体験で検証された。
チョン・ヨンジュ言論人
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/438341.html 訳J.S