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[寄稿]龍山惨事の背後は土地不労所得/キム・ユンサン寄稿

原文入力:2009-02-02午後08:53:15
←キム・ユンサン/慶北大行政学科教授

龍山惨事を契機に再開発と再建築(以下‘再開発’)に関心が集中している。誤りが警察にあるのか,篭城借家人にあるのか攻防が広がる中で借家人補償制度が主に検討されている。しかし処罰と補償は根本対策ではない。すべての開発葛藤の背後には不労所得があるためだ。

再開発が決定されれば慶祝垂れ幕があちこちに掛けられる。事業地区の財産権者には莫大な不労所得が、建設業者には事業利益と不労所得が共に生じるためだ。しかし葛藤と対立はここから始まる。龍山惨事の葛藤当事者は開発主体と借家人であった。開発主体が莫大な不労所得を得る中で、借家人には十分な補償が戻らなかったためだ。実際、開発主体の不労所得を減らし借家人に十分な補償をしたとすれば今回の惨事は防げただろう。

それでは補償を通じて当事者の不満をなだめるならば再開発をしても良いものか? 再開発の目的はもう少し人間らしい生活をすることができる環境,もう少し正しくて効率的な環境を作るところにある。 こういう目的と関係なく、少数の私欲だけを満たす再開発ならば葛藤があろうがなかろうがしてはならない。それでも町内ごとに再開発熱風が吹く理由は不労所得パーティーに一枚加わろうとする集団が多いためだ。

再開発による地価上昇分を開発主体が占めるのが当然だと考えたりもする。地価上昇が開発主体の格別な努力と創意の結果ならばそのような考えも一理があるだろうが、再開発のノウハウは特定人や特定業者だけが持っているものではない。再開発地区と指定されさえすれば開発に着手する前に、そして開発の細部的内容を問わず地価が上昇する。努力や創意は問題にならないという証拠だ。

単に再開発地区に指定されたという事実だけで発生する不労所得は当然還収されなければならない。そうした上で公益的な観点で必要な再開発ならば公共機関が乗り出せば良い。また事業自体の経済的妥当性を持った再開発ならば不労所得がなくても民間が推進することであるから正常な再開発が萎縮する心配はない。

不動産不労所得は主に土地から発生する。建物は原価があり、また時間の経過によって古くなり価値が下落するから特別な場合でなければ建物には不労所得はない。したがって土地不労所得が核心だ。 不労所得は再開発地区だけでなく近隣地域でも発生し再開発が1ヶ所だけで成り立つものでもない。また不労所得が再開発によってのみ発生するものでもない。土地価値に影響を与える原因は自然環境の変化,政府の措置,社会経済的変化など非常に多様だ。

このように土地不労所得は全国土で多様な原因によって発生するので、特定事業や特定地区に限定して還収するのでは充分でない。全国土を対象に、そして常時的に還収されなければならない。最も良い方法は、すべての土地に高率の保有税を賦課するということであることはとてもよく知られている。

ところでイ・ミョンバク政府はそれでも多少はあった不労所得還収装置を大幅緩和し各種規制を解いている。惨事の背後である土地不労所得を放置すればあらゆる不要な再開発と土木事業が増え葛藤の谷がさらに深くなるだろう。貧富格差が激しくなり階層間違和感がより大きくなり龍山とは比べものにならない大きな惨事がさく烈するだろう。こういう状態でイ・ミョンバク政府がどういう方法で‘法治’をしていくのか心配だ。

キム・ユンサン/慶北大行政学科教授

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/336465.html

原文: 訳J.S