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[クァク・ビョンチャン コラム] そう言うあなたはどこの国の国民か?

原文入力:2010-06-16午前08:00:17(1755字)

←クァク・ビョンチャン編集者

どこの国の国民かだって? 久しぶりに聞く質問だ。学閥、縁戚、故郷でもなく、高大人か非高大人か、あるいは江南なのか非江南かを問うのでもない。彼我を識別し分離しようということか、行くところまで行きついた質問だ。その結果が何かは韓国現代史がよく示している。あちらに分類されれば理由なしに処刑され逮捕、拷問、監禁、隔離された。この問いは歴史的に理性と科学、合理性と常識、討論と批判を窒息させる轡だった。

今、その質問が参与連帯に集中している。政府の天安艦事件真相調査結果に疑問を提起する報告書を国連安全保障理事会議長国に送り、国家的恥さらしをし北韓を利するようにしたという理由からだ。チョン・ウンチャン総理は国会で「どこの国の国民なのか疑問が起きる。政府次元での対策を論議する」と話した。パク・ソンギュ大統領府報道官は「いったい何の目的でこうしたことを行うのか訊ねたい」と言い、キム・ヨンソン外交部スポークスマンも「政府が傾けている外交努力を阻害する」と断定した。政府側団体とメディアは参与連帯を利敵団体と罵倒し怒って跳ねる。

一時、維新憲法はすべての国民の思想と国籍を検証する最高の準拠であった。当時9号まで貫徹された緊急措置の骨組みは維新憲法の守護であった。維新憲法を否定、反対、誹謗する行為はもちろん、改正または、廃止を主張する一切の行為を禁止し、こういう行為を薦めたり他人に知らせる言動を禁止した。この措置に違反する者はもちろん、これを誹謗する者までも令状なしに逮捕、拘禁、懲役に処するようにした。その無慈悲さと盲目性は今でも舌を巻かせる。

怪物は朴正熙の殺害と共に消えたが、30余年が過ぎた今もそれと似たことが世の中を惑わしている。天安艦事件調査結果がそれだ。今この調査結果は国家観と彼我を区別する基準となっている。これを否定したり疑って、これを他の人に知らせれば連行されたり逮捕されうる。未完の調査結果が憲法的権威を行使しているということだ。

調査結果は欠陥だらけだ。中国とロシアが提起した根本的な疑問を別にしても軍はこの間、事件の真相に対し翻意に翻意を繰り返し疑問を自ら招来した。反面、国内外の科学者と軍事専門家たちが提起した科学的戦術的疑問は解消されず、天安艦切断面の‘マジック蛍光灯’等、常識的な疑問も継続提起された。さらに事件経緯および報告内容の操作有無を巡り軍指揮部と監査院の間に衝突が起きもしている。

それでも政府は一方では提起される疑問を物理的に押さえ込みながら、他方ではこの事件を政治的に利用するために焦る姿を見せ、これは市民の反発を大きくした。調査過程での言論プレイと発表時点などは選挙日程と絶妙に照応した。調査結果発表以後にはオンライン・オフラインを問わず否定的意見を無差別に取り締まった。政府発表と異なる内容が含まれた印刷物は、たとえそれが言論に報道されたことであっても押収し連行した。天安艦沈没と46人の将兵殉職に責任を負わなければならないキム・テヨン国防長官が国会でイ・ジョンヒ議員に「北韓の疑惑を洗うために努める」と当てこすることができたのはこういう雰囲気のおかげだった。

真実には国境も、彼我もない。警戒すべきは隠蔽とわい曲だ。イラクの大量殺傷武器プログラムと関連した虚偽情報は米国の数多くの若者たちを死地に追い込み、国家をどん底に陥れた。天安艦沈没事件も同じだ。疑問に思われる所は当然指摘し正さなければならない。局外だからと沈黙してはならない。それでこそより大きな災いを避けることができる。沈黙の強要こそが利敵行為だ。

どこの国の国民かだって? 気管支拡張症、高齢、あご関節炎などで兵役免除を受けた大統領と総理、国家情報院長、体重超過と肺疾患で免除を受けたり補充役だった朝鮮・中央・東亜社主、そう言うあなたは? 維新体制の幽霊?

編集人 chankb@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/425746.html 訳J.S