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[社説] 李明博政府に対する審判は鋭かった

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/423865.html

原文入力:2010-06-03午前02:38:18(1439字)

6・2地方選挙でハンナラ党が圧勝するという予想は見事に外れた。ハンナラ党は随所で野党に遅れをとり、あるいは苦戦をまぬがれなかった。‘有権者革命’といっても過言ではない与党の凄惨な敗北だ。
今回の選挙は歴代どの選挙でも見出し難い程に与党に有利な環境で進行された。天安艦事件はすべての選挙争点を吸い込むブラックホールだった。4大河川事業、世宗市、無償給食など与党に不利な争点は全て失踪したり後まわしに押し出されてしまった。選管委の不公正判定是非も、以前のどの時より荒々しかった。ハンナラ党の成績表がより一層みすぼらしくみえる所以だ。

ハンナラ党は、まず去る2007年大統領選挙勝利の基盤だった首都圏で得票率が顕著に落ちた。特にこの間、席巻していた地方自治体長の席を続々と野党に渡した。4年前の地方選挙の時とは立場が完全に変わった。世宗市問題がかかった忠清圏ではハンナラ党が現職を占めていた大田・忠南・忠北広域団体長の席を全て野党圏に奪われた。江原・慶南など伝統的な牙城でもハンナラ党は不振を免れなかった。

与党にとってより一層痛恨だったのは教育長選挙の結果だ。現政権初代大統領府教育科学文化首席を過ごしたチョン・ジンゴン候補は、進歩陣営のキム・サンゴン候補に大きな票差で敗れた。全教組に対する汎政府次元の全方向的圧迫の中でも進歩指向の候補たちは各地で善戦した。こういう選挙結果は現政権の教育政策に対する総体的な不信の現れと言っても間違った解釈ではないだろう。

今回の選挙を通じて現れた民心の所在は明らかだ。李明博政府の傲慢と独善に対する根強い失望感と怒りの表示だ。民主主義と人権の後退、ゴリ押し式国政運営、南北関係の破綻など、現政権の実情が有権者の脳裏から忘れられたように見えたが、決してそうではなかった。特に大統領府が今回の選挙の事実上の総指令塔であったという点で、選挙結果が及ぼす影響は小さくなく見える。大統領府は安保イシューを選挙に活用しているという批判を甘受してまでも天安艦沈没事件を中心に緻密な世論集めをしてきた。今回の選挙結果は李明博政府の広報至上主義的国政運営形態に対する有権者の明白な拒否行動でもある。

とは言え、有権者は野党が本当に良くて票を与えたと見ることも難しい。与党独走に対する牽制心理が発動することにより反射利益を得たという分析がさらに適切だ。民主党は今回の選挙で類例のないほど無気力な姿を見せた。反李明博情緒に寄り添った図式的な選挙戦略、与党の言いなりになる守勢的態度ではなかったならば、より一層変わった結果が出ただろう。

今回の選挙は政府・与党と野党全てに重い課題を投げかけている。与党にはこれ以上の傲慢と独善、便法と詐欺が通じないという痛烈なメッセージを投げた。イ大統領をはじめとする与党首脳部は、今回の選挙結果を胸中深く省察してみることを望む。民主党もまた自分たちが上手にしてこういう結果を得たという錯覚をしてはならない。民心を感動させられる野党、ビジョンと代案を提示する政権継承政党の面目を見せない限り、野党にも明日がないことを今回の選挙結果は語っている。与野党全てに隊列覚醒が切実に要求される。

原文: 訳J.S