原文入力:2010-05-20午後09:05:25(2220字)
天安艦沈没原因を調査してきた国防部民・軍合同調査団が昨日、北韓の魚雷攻撃で沈没したという調査結果を公式発表した。合調団は沈没海域の海底から北韓産魚雷の推進動力部と見られるプロペラと推進モーターなどを回収し、北側の攻撃根拠として提示した。今や北側の無関係を主張することが難しくなった。安保態勢を整えなければならない深刻な事態進展だ。しかし、そうであればあるほど、断固としつつも冷静に対応策の段階を踏んでいかなければならない。
合調団発表の核心は沈没海域であるペクリョン島近隣ではえ縄漁船により魚雷の推進動力部のプロペラを含む推進モーターと操縦装置などを回収したということだ。合調団の言葉通り、この推進動力部は魚雷攻撃の可能性を後押しする端緒となることができる。発見された部品が北韓の輸出用魚雷紹介資料に書かれた設計図と符合するという点も補完的根拠となる。筐体切断面の状態、地震波分析結果などを土台に水中爆発を主張した4月25日合調団中間発表に比較すれば、証拠収集が進展したということができる。これを土台に李明博大統領は昨日 「北韓が過去にも対南軍事挑発やテロを行った後、これを否認してきた」とし 「だが、今回は世界どの国、どこの誰も否めない物証があらわれただけに、そのようなごり押しは通用しないだろう」と話した。
しかし、この程度で北韓の仕業と断言できるかは疑問だ。何より国防部は事故直後 「近隣地域で北韓の潜水艦(艇)活動情況が発見されず、投入可能性も非常に低いと把握している」と発表した。ところが、昨日は北側のサケ級潜水艇の仕業と分析した。部品や破片は追加捜索を通じ捜し出すことができるが、北側艦艇の動向情報はその時も今も変わりにくい。
可能性大きくなった北韓攻撃
130t級小型潜水艇で重さ1.7tの重魚雷を発射できるかも問題になる。北側の小型潜水艇は重さ280~300㎏の軽魚雷 2発を搭載するのが普通だと軍は説明してきた。また、爆発後、魚雷推進部がまるごと残るかをはじめ、北側があたかも‘決定的物証’を故意に残したような状況も疑問を持たせる。関連資料も十分に公開されなかった。事件前後の航跡記録と交信記録、海軍戦術指揮統制システム関連資料などがそれだ。軍は昨日の発表で自身の結論に符合する資料だけを提示しただけだ。
そうは言っても、今は北韓が国際社会に責任ある返事をしなければならない。予想される制裁の可能性に対し全面戦争云々するのは問題解決を難しくするだけだ。不満があるならば南側が提示した証拠に対し科学的に一つ一つ疎明をしなければならない。南側も北の攻撃の可能性が大きくなったからと、強硬一辺倒の対応をしてはならない。まず北側の攻撃意図が何かが確実でない。昨年11月の大青交戦で圧倒されたことに対する報復というには危険性がとても大きく、全面戦争のリスクを押し切った挑発だと見るには無謀だ。北側の悪意を非難することはやさしいが、正確な意図も分からないままに強硬対応に偏っては状況を悪化させるだけだ。局地戦でも起きるならば北側強硬派の役に立つだけだ。
検閲団提案 拒否する理由ない
北側の仕業というならば、最善の解決法は自ら認めるようにすることだ。これと関連して北側最高権力機構の国防委員会は昨日、スポークスマン声明を通じ‘国防委検閲団を南側に派遣する’とした。わが政府が調査結果に自信があるならば検閲団を受け入れない理由がない。この過程を通じて北側主張の弱点を明らかにすることもできるだろう。
政府が考慮する対応策の中で国連安保理を通じた対北韓制裁は現在では展望が不透明だ。米国は政府調査結果を支持しているが中国はそうではない。中国政府の態度は「韓半島の平和と安定を守護することが各国人民の共通した熱望」という昨日の言及によく要約されている。北側の仕業であることが100%確実でない状況で、韓半島情勢をさらに不安にする行動には出ないという意だ。安保理に回付し決議案採択にも失敗するくらいならば、初めからしない方がまだマシだ。
今、政府内外で議論されている独自の対北韓圧迫措置らも大部分が生兵法だ。一番最初に議論される方案が北側船舶の南側領海通過禁止をはじめとし開城工業団地事業を除くすべての南北関係を切ることだ。これは圧迫になるどころか、それでなくとも葛藤の多い南北関係をさらに不安にするだけだ。前方の拡声器放送再開など対北韓心理戦強化と武力示威なども実効性はなく、南北関係を取り返しのつかない水準へ悪化させるだろう。戦時作戦統制権返還延期、北韓主敵概念の復活なども今回の懸案と関係がない的はずれな対応だ。
最も良い対処方法は誰もが同意できる証拠を確保しようとする努力を継続しつつ、すべての関連国らの意を一つにまとめて出すことだ。これに劣らず重要なことが韓半島情勢が不必要に悪化しないようにすることだ。強硬対応過程で手のほどこしようもなく事態が悪くなるならば、後から戻そうとしても戻すことはできない。危機がより大きな危機を呼ぶことがないよう遠く見通す冷静な対応が要求される。
原文: 訳J.S