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[東京から]‘東海’と‘日本海’を越えて/チョン・ナムグ

原文入力:2010-04-26午後08:16:24(1608字)

←チョン・ナムグ特派員

去る18日夜、日本公営放送<NHK>は韓日合併100周年特集5部作‘日本と韓半島’の第1部‘合併へ行く道-伊藤博文と安重根’編を放送した。放送が終わった後、これを報道した<ハンギョレ>記事に対して色々話を聞いた。日本の進歩的知識人たち概して「ハンギョレがとても点数を辛く付けた」と話した。

当時、私が書いた記事は「帝国主義侵略を周辺国の意向に反し大きな苦痛を加えたことと見る、認識の大転換に進むことができなかったのは残念だ」 ,「初めて放送を準備する時<NHK>は非常に意欲的だったが、結局 日本国内右派の反発を大きく意識したようだ」というシン・ウニョン安重根義士記念事業会責任研究員の評価を引用した。タイトルもここに焦点を合わせた。

<ハンギョレ>記事がこの放送の努力をあまりに低く評価していると見る視角は理解できる。日本人にとって伊藤博文とは誰か。日本立憲政治の軸を立てた世界に誇るに足る指導者ではないか。<NHK>はそのような人物を殺害した安重根を伊藤と同じ位置に置き、安義士がそのような行動を決意するに至った当時の状況を最大限ありのままに表現しようと努めた。一部の視聴者が‘安重根に偏った放送’として強く非難するのは、放送内容が日本人の心を不快にしたという証拠でもある。

ある日本人読者はインターネットを通じハンギョレ記事を読み、こういう抗議メールを送ってくることもした。

"すでに日本では安重根を単純なテロリストと見なしていません。韓国の新聞報道を見れば思い起こすのは‘なぜ(歴史認識の)溝を埋めるのは日本だけの役割なのか’ということです。"

それでも私はこのように答を送った。

"日本側の努力が真正性を認められるためには、必要な最低線があると考えます。それは‘朝鮮侵略,朝鮮合併は決して朝鮮人のためではなかった。それは日本と日本人のためのものであり朝鮮人に苦痛を与えた’ということを先に認めることだと私は考えます。"

これはすでにかなり以前、安重根義士が法廷でした "朝鮮がいつ日本の保護を望んだのか?" という話をそのまま移しただけのことだ。伊藤博文が‘朝鮮征伐論’を排撃し、合併を迷ったからといって、それが朝鮮人のためのものではなかった。<NHK>は伊藤を、朝鮮を近代化しようとする善意を持った人物として描写した。これは独立運動に対する冒とくであり、生きている日帝強制占領下被害者の胸をほじくることになる。
これから4回さらに放送される<NHK>の特集を私は期待する。しかし‘帝国主義は帝国主義であるだけ、優しい帝国主義はありえない’という考えを変えないだろう。韓国と日本は一日も早く良い友人にならなければなければならないと考えるが、そのためには日本が先に真心のこもる謝罪と慰労をしなければならない。

こういう主張をしながらも、心の片隅には不快さが残る。果たして私たちは日本と良い友人になるための準備をしていると言えるだろうか? <NHK>は日本の視聴者たちが安重根の立場から思考できる空間を大きく開いてくれた。韓国ではそのような努力を見つけるのが難しい。もしかしたら私たちは道徳的重荷の少ない被害者の立場を前面に掲げ、日本に要求するだけで相手の立場を推し量ることは回避しているのかもしれない。韓国と日本の間にある海を私たちが‘日本海’と呼ぶことができないように、日本側に‘東海’と呼べと要求することも難しいという点を推し量ってこそ、はじめて未来が開かれる。

チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/417834.html 訳J.S