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[社説] 政治的粗捜しに汲々として恥をさらした‘不良検察’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/414025.html

原文入力:2010-04-02午後07:22:01(1109字)

ハン・ミョンスク前国務総理の5万ドル授受疑惑事件に対する1審審理が昨日終わった。来週には宣告がある予定だが、結果を心配している国民は多くないようだ。検察が掲げた根拠が貧弱なことこの上なく、とうてい有罪の証拠とするのが難しいためだ。

検察の起訴事実はすでに崩れた。当初検察はクァク・ヨンウク前大韓通運社長が総理公館でハン前総理に5万ドルを‘渡した’と主張した。しかし唯一の証人であるクァク前社長は公判でお金を‘椅子に置いて出てきた’と証言した。疑惑を立証する他の証拠は当初からなかった。検察が一歩遅れて起訴状を変更したが、事実上犯罪の直接証明はないと見なければならない。事件の核心となる柱が崩れたわけだ。

刑事裁判で有罪を認めるには裁判官が‘合理的な疑い’をする余地のないほどに確信を持つに足る証拠がなければならないというのが大法院の確固たる判例だ。今回の事件でそのような直接証拠はない。検察の変更した主張どおり、椅子に置く方法でお金を渡そうとしたと言っても、ハン前総理が果たしてこれを受け取ることができたか、疑うに足る理由はすでに幾つもある。ハン前総理が常に先に食堂を出てきたという警護員の証言、昼食室に警護員とホテル従業員が多数いたという事実、これらの中に誰も椅子の上のお金を見たという人がいないという点などがまさにそれだ。椅子にお金を置いたという話もまた信じにくい。クァク前社長の言葉が何度も行ったり来たりし、自分の利益を追って述べた形跡もあり、陳述の一貫性と信憑性を認めにくい。結局、どこにも犯罪の証明はない。

それでも検察は疑惑立証よりも、突拍子もないことに熱中した。検察が裁判終盤まで問題にしたハン前総理のゴルフリゾート利用と子息の留学費用などの話は退任してしばらく後のことなのに加え、疑惑内容と連結する間接証拠と見るのも難しい。あれもこれもうまくいかないので、何か欠点でもあればあげつらおうということではないかという疑いが出るほどだ。

検察は今回の事件で何度も恥をさらした。控訴事実が特定されないという初歩水準の誤りを指摘され、裁判途中に起訴状を変更した。刑事訴訟法に外れる尋問を行い制止され、捜査の底意は何かという公開的詰問すら何度も受けた。こういう恥辱は、法と正義の代わりに政治的注文に合わせるべく汲々とした‘請負捜査’の当然の帰結だろう。

原文: 訳J.S