原文入力:2010-03-08午後07:21:25(1698字)
←キム・ソンジュ言論人
夕食の準備をしようと冷蔵庫を開けたところ激臭がした。サービス センターに電話したところ住所を聞き、まもなく連絡が行くといった。緊急事態なのですぐに人を手配してくれと脅した。5分後に電話がきた。正確な家の位置を尋ねると、すぐに玄関のチャイムが鳴った。故障を知って25分でサービスマンが到着した。
サービスマンは部品が地方工場からバイク便で届くと言い、遅くとも今晩中には解決されると言った。哀願半分,脅迫半分ですぐに直してくれと言い張った。故障申告から2時間半で部品と共に技術者が来て、冷蔵庫は再び動いた。部品価格も謝礼も受け取らなかった。ニューヨークでしばし仕事をしていた友人は米国ならば1ヶ月はかかっただろうと感心した。10日前に起きたことだ。
我が家の冷蔵庫は三星製品だ。数日前に三星半導体器興工場に勤め白血病で亡くなったファン・ユミ氏の3周忌追慕祭が開かれたことと三星の顧客感動サービスがオーバーラップした。去る10年間、三星半導体器興工場で働いた職員たちの中で22人が急性白血病を病み7人が亡くなったという。犠牲者は化学薬品と放射線使用のためだと主張し、三星は個人的疾病のためだと主張する。
とうてい理解できないのは、一介無名の消費者に無限の感動を与えた会社が、何兆ウォンを秘密資金として使うという会社が、その金の100分の1、あるいは少しでも取り出して自分の会社で働いて亡くなった若い従業員たちの死に対して深い憂慮と十分な哀悼を表わし積極的な疫学調査を通じて、もしやあるかもしれない相関関係を究明するために全グループ次元の努力を傾けないという事実だ。
イ・ウォンジェ ハンギョレ経済研究所長は、三星経済研究所は研究員たちが暮らしの心配をせずに革新的な研究結果を多く出した国内最強の頭脳集団だと証言する。そこで働いたことのある彼は、三星の社会責任経営問題が議論されたことがあり、三星の社会との疎通方法が議論されたことがあったという。三星の‘支配構造’と‘無労組問題’に対して話があったが、三星問題だけには触れないという不文律のために静めたということだ。彼は社会との疎通を拒否することは、三星を非常に深刻な危機に追い立てかねない‘潜在危険要素’だと指摘した。
私はそれが、道徳的な問題はさておいたとしても、わが国経済をも深刻な危機を追い立てるかねない危険要素と考える。大統領は5年に一度選ぶ。三星の総帥は選ぶことはできない。大統領を批判する記事はどんな言論でも載せられるがが、三星に対する批判はアンタッチャブルだ。国民皆がキム・ヨンアの金メダルを応援している時、報道機関たちはまた別の理由でキム・ヨンアの金メダルを待ち望んでいた。三星が祝賀広告で財布を緩めるという期待のためだった。世宗市問題を解決するために、イ政府が一番最初に三星の世宗市入居を既定事実化したことを見ても、三星の力と歩みは国家の政策さえ思うままにすることができる。
イ・ゴンヒ総帥は‘全国民が正直な人になろう’と言った。組織暴力団のからだに彫られた‘誠実に生きよう’という入れ墨を見るように笑いが出た。いつかは‘妻以外は全て変える覚悟’があってこそ国際的な競争力を持つことができるとも言った。三星の社会疎通方法はただ2つだ。顧客サービスで消費者を満足させ、全ての批判は秘密資金とロビー,政治・法曹・官界・言論界に出す奨学金で解決するという原則だ。1960年代以来50年間、変わらない方式だ。なぜこの旧態依然な方法を3代にかけて使っているのか。なぜ自分たちは変わろうとしないのか。
社会との疎通を拒否し、お金で批判世論を寝かそうとするのではなく、妻以外は全て変える覚悟をしてこそ三星も生き国も生き、正直に生きようという言葉も心から近づくだろう。
キム・ソンジュ 言論人