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[社説]文化放送まで政権に捧げることはできない

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/407017.html

原文入力:2010-02-26午後06:59:51(1117字)

<文化放送>の最大株主である放送文化振興会(放文振)が昨日、新社長に李明博大統領と親密なよしみの深いキム・ジェチョル清州文化放送社長を選んだ。<韓国放送>社長に大統領参謀が入り、文化放送まで大統領側近が掌握するようになった。これで放文振は文化放送の独立性と公共性を威嚇する政権の下手人であることが明らかになった。

放文振のキム社長選任は文化放送を戦利品のように政権に捧げるということだ。放文振は去る8日、文化放送の報道・製作・編成責任者を一方的に決めることにより、オム・ギヨン社長の抗議辞退を誘導した。これでも足りず、昨日最終社長候補3人の内、イ大統領と最も近い人物であるキム社長を選択したのだ。キム社長がイ大統領と長い間の親密なよしみを維持しているのは広く知られた事実だ。はなはだしきはキム社長は2008年7月、イ大統領に対する忠北道庁業務報告席に出てきて清州空港活性化方案をブリーフィングすることさえした。放送会社の社長が大統領に対する業務報告に出るほどならば、言論人ではなく政治屋だということだ。こういうキム社長を前面に出し、文化放送を政権のラッパ吹奏者に完全脱皮させようとするのが今回の事態の核心だ。

しかし、こういう意図が無難に貫徹されるだろうと考えるならば、それは大きな誤算だ。直ちに放文振とキム社長は文化放送構成員をはじめとする放送人らの荒々しい抵抗にぶつかっている。文化放送労組は直ちに決議文を出し、キム社長の就任を阻止すると明らかにした。すでにストライキを決議した労組はキム・ウリョン放文振理事長と政府側理事らの退陣も要求した。数百ヶ所の市民社会団体と野党もこの日‘公営放送MBC守る市民行動’をスタートさせ、文化放送構成員らと共に戦うと宣言した。

今や事態は公営放送を守ろうとする人々と放送を政権のラッパ吹奏者に仕立てようとする勢力との全面的な戦いに広がっている。この戦いは全面的に放文振を掌握した政府側理事らの誤りから始まったのだ。その背後に李明博政権核心部の強い意図が作用していることはもちろんだ。

キム社長は、事態をさらに複雑にせず自ら退くのが正しい。彼が李明博大統領を助けようとするならば、行く所は文化放送ではなく政界だ。放文振の政府側理事らも退いて当然だ。これらがそのままいる限り、文化放送が本来の位置に戻ることは不可能だという事実が確実になったためだ。

原文: 訳J.S