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[社説] 堕胎論難, 法・環境 整備の契機とすべき

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/403151.html

原文入力:2010-02-05午後08:43:26(1085字)

去る3日、産婦人科医師の集いである‘プロライフ’が不法堕胎手術病院を告発したことを契機に、堕胎問題に対する社会的論難が熱くなっている。プロライフ側が堕胎を不法化している現行法に頼り、堕胎根絶運動を行うと明らかにした反面、女性界では堕胎を強要する社会的条件を放置したまま処罰中心に出るならば深刻な社会問題を産むとし反発している。

堕胎問題がこのような形の論争に飛び火した一次的原因は法と現実の乖離だ。我が国は堕胎を不法行為とみなし、堕胎をする女性と堕胎を助けた医療関係者を全て刑法で統治するようになっている。堕胎が許されるケースは母子保健法に規定された本人または配偶者の遺伝学的障害や疾患、または強姦による妊娠など5種類の例外だけだ。しかし現実は保健福祉家族部でさえ年間35万件ほどの堕胎の内、不法になされる比率が95%を越えると認めているほどだ。妊娠可能な女性の年間平均堕胎率が1000人当り30人であり、法律的に堕胎が我が国より幅広く認められている米国(21)や英国(18)よりも高い。

状況がこのようになった最も大きな原因は歴代政府の無責任だ。この間政府は法を現実に合わせて変える努力をしないまま死文化させることにより不法をほう助した。だからと言って青少年にきちんとした性教育を提供した訳でもなく、子供を産み育てる社会経済的条件をきちんと用意した訳でもなかった。そのために生命軽視風土ができ、産婦人科が堕胎を主たる収入源とするに至ったのだ。

このように堕胎があまりにも簡単になされる現実は明らかに変えなければならない。しかし、死文化されてきた法を突然強制する方式は、女性の健康問題をはじめ更に深刻な社会問題を惹起しかねず危険千万だ。堕胎は倫理問題だけでなく複雑な社会問題でもある所以だ。

問題が公論化された以上、政府は今からでも各界意見を取りまとめ現実に合うよう法を全面改正し、不法堕胎を誘導してきた社会経済的環境を改善する方案を用意しなければならない。すでに相当期間の論争を経て多数が同意できる方法を用意した国々の前例は参考にするに値する。ただし、この過程で堕胎論争が西欧のようにプロライフ対プロチョイス(女性の選択権)に発展するのは望ましくない。胎児の生命に劣らず、女性の生命と暮らしも尊重されなければならない。

原文: 訳J.S