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[読者コラム]‘監獄でどれほど寒かろうか’暖かいそのお言葉に急に/ユン・ヘスク

原文入力:2009-12-24午前08:31:43
ソ・ギョンシク先生へ ウングクの母より

胸で氷が溶ければ涙になる

先生,こんにちは。私はウングクの母です。先生がウングクの手紙に答える文を書いて下さって大変ありがとうございます。‘韓国はこの頃急に寒くなったという。監獄でどれほど寒かろうか。私は先ずそんなことを思った。’私の心がそれで、その暖かいお言葉に急に涙があふれました。先生の文は私とウングク,多くの良心的兵役拒否者などに大きな力になりました。それこそ‘幼くか弱い’その子供たちが一握りの日差しのある塀に寄り添って立ったような安堵感です。‘誰も自分を覚えていなく忘れられた存在のようだ’という話をした彼に、先生の文がどれほど大きな慰めとなり希望になるかご存知でしょう。

私は母として単にその子供の幸せだけを望んでいました。‘理念が何? 信念がご飯を食べさせてくれるの?’という言葉もはばかりませんでした。イラクに人間の盾として行ってきて、パレスチナのガザ地区に行ってきて、彼らの惨状を語る時でさえ「そうだ、そのような人々がいるんだな」と思う程度でした。他人の苦痛を見守るどころか、無視して見ようとしませんでした。見守る勇気が無かったのです。彼らの悲しみと苦痛が私のことになるかと思うと恐ろしくて避けているばかりでした。

ソ・ジュンシク先生の獄中書簡を読み‘本当に美しい方だ’と考えたところで、‘自分の息子がそうしたならば?’とは想像もしませんでした。‘どんな服を着ようか? 何かおいしく食べようか? どこに行けば何が安くてものが良いのか?’という単に生物的な人間として生きてきた私にウングクは理解しかねていました。

誰かがしなければならないことなら君がしろ

私を自ら叱責したりもしました。私が正しく生きることができなくてそうしたかと思って。私は今でも恐ろしいです。監獄にいるウングクが感じる寒さと疎外感と異質感が恐ろしく、外で暖かく食べて寝て平気で生きている私自身も恐ろしいのです。ガラス窓越しに10分間見つめ合い "元気なの?"   "元気です" 形式的に話して笑って帰るこの現実も恐ろしいです。

時には一人で泣きます。手紙を書きながらも泣き、手紙を受け取ってもすすり泣きます。‘胸で氷が溶ければ涙になる’で誰かが言いいましたね。もう私の心臓の氷が溶けそうです。

しかし、もう私は自信を持って言います。"誰かがしなければならないことならば君がしろ。"‘正しいことは正しいことだ’と話し行動する人が自分の息子という事実が誇らしいです。そのようなウングクに‘そうだ’とおっしゃって下さり再び感謝申し上げます。‘私がこういう気持ちに浸れるようにした彼に、感謝と尊敬の挨拶を送る。そのような人が私たちが人間から非人間に転落しないように警告する大事な存在だ’その言葉を決して忘れません。いつまでもお元気で。
良心的兵役拒否で収監中のウングクへ   母 ユン・ヘスク拝

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/readercolumn/395056.html 訳J.S