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[社説]荒れ狂う放送掌握企図,決して成功しない

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/388908.html

原文入力:2009-11-20午後07:15:45

イ・ミョンバク政権の放送掌握企図が絶頂に達した。<韓国放送>理事会が一昨日、イ・ミョンバク大統領選挙参謀出身のキム・インギュ韓国デジタルメディア産業協会会長をこの放送会社の新しい社長に任命推薦したのに続き、イ大統領はすぐにも彼に任命状を与える予定だ。イ・ミョンバク政権が昨年チョン・ヨンジュ社長を不法的に追い出して始まった‘韓国放送の政権放送化’作業の完成が目前まで迫り、キム会長としては昨年世論を意識してあきらめた席を今度はいよいよ占めることになった。

イ政権のこういう企図は国民の幅広い抵抗に直面するだろう。直ちに韓国放送労組は「政権の下手人、キム・インギュが清浄地帯KBSに一歩たりとも入れないようにする」と宣言した。言論労組とPD(ディレクター)連合会なども労組の闘争に積極的に参加すると明らかにした。国会でも野党議員らが政府の放送掌握企図を一斉に攻撃した。市民団体と多くの国民も怒っている。昨年、大統領特別補佐官出身のク・ボンホン氏の社長任命から始まった‘YTN事態’の拡大版だ。

キム氏の社長任命に反対する声はどう考えても正当だ。彼は大統領選挙の時にイ・ミョンバク キャンプで放送戦略をリードした人物だ。言論人生活を清算し政権創出を助けた人が社長になって戻るということは、放送を政権の戦利品と考えない限り想像もできないことだ。その上、彼は大統領府の行政官が企業の手を捻って資金を集めようとしたデジタルメディア産業協会の会長だ。‘政権の下手人’という批判に完全に当てはまる人物だ。

彼が社長に任命推薦されるまでの過程も様式行為に過ぎなかった。社長推薦委員会は政権側の影響を防ぐ装置もない中で、外観作りだけに汲々とした。理事会も変わるところがなかった。はなはだしきは理事会は公開検証の手続きさえないままに野党推薦理事らの棄権の中の表決でキム氏を選んだ。公営放送にふさわしい独立的で専門性のある人物を選ぼうとする意志はどこにも見られなかった。政府はチョン・ヨンジュ社長の不法解任と比較して、今回は深刻な手続き上の瑕疵はなかったと主張するかもしれない。大統領府側が‘韓国放送理事会の決定に従っただけ’と言うことがそのような動きの一つだ。だが、キム氏に決定されるまでに政権核心部の意思が貫徹されたことは誰が見ても明白だ。

キム氏が韓国放送社長に就任するならば、すでに地に落ちたこの放送の信頼はより一層墜落し‘国民の放送’ではなく‘国民に無視される放送’になるだろう。これは単に政権やキム氏個人が打撃を受けることに止まらず、韓国放送の生命まで摘むことだ。こういう不幸なことを防ぐ道はキム氏社長就任工作を止めることだけだ。キム氏は自主的に辞退し、イ・ミョンバク政権は放送掌握企図を放棄しなければならない。

原文: 訳J.S