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[社説]政府の圧力受け辞退したイ・ジョンファン理事長

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/382354.html

原文入力:2009-10-16午後08:49:37

最近辞退したイ・ジョンファン韓国取引所前理事長が残した‘退任の弁’は、イ・ミョンバク政府の公共機関長人事がどれほど暴力的になされているかを赤裸々に見せてくれる。彼は昨日、取引所役職員に送った電子メールで「直間接的な辞退圧力もたくさん受け、個人を追い出すために制度と原則を変えた」とし現政権をより強力に非難した。特に資本主義の花と言うべき市場の取引所で最も反市場的な措置が断行されたと嘆いた。

3年の任期中に1年7ヶ月で中途下車した彼は昨年3月、理事長選任の時から迂余曲折に見舞われた。当時政府がイ・ミョンバク大統領の側近要人を理事長に押しているという噂が広まっていた。ところが理事長推薦委員会はこれを握りつぶしイ・ジョンファン当時取引所経営支援本部長を理事長に推薦した。彼の苦難はその時から始まった。

取引所の不正をあばくとし検察が捜査に入り監査院監査が続いた。新任理事長がまともに仕事をすることができないほど組織をかき回した。別に問題が出てこないため政府は今年1月に取引所を公共機関として指定し圧迫に出た。イ前理事長は「金融当局の執拗な脅迫と周辺からの圧迫も受け、この過程で日頃から尊敬してきた先後輩までが動員された」と明らかにした。イ政府は自身ばかりでなく家族と親戚,はなはだしきは周辺の人々まで疲れさせたと打ち明けた。政府が彼を追い出すために野卑で非人間的な方法まで動員したことが分かる。

このように無理が堂々とまかり通っても“誤りだと言うことができる勇敢な賢者がいなかった”という彼の指摘は私たちを恥ずかしくさせる。むしろ“日和見主義者,魂も能力もない出世主義者,その場その場で立場を変える世渡り主義者など数多くのゾンビら」が横行しているという彼の絶叫は私たちの社会の正義と倫理が失踪していることを傍証する。

イ政府の意図は明白だ。政権の好みに合わない人物は手段と方法を選ばず追い出し、その席に政府側要人を落下傘で送るということだ。問題はこうしたことがイ前理事長1人に終わらないと言う所にある。イ・ミョンバク政府になってこういう無謀で暴力的な人事形態が私たちの社会の随所で強行されていることは皆が知る事実だ。この間、民主主義は独裁政権時期に後退し社会正義は地に堕ちている。こういう歴史の退行がいつまで続くのか苦しいばかりだ。

原文: 訳J.S