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[世相を読む]自律型私立高の政治経済的関数/キム・ジョンヨプ

原文入力:2009-07-21午後09:58:05
←キム・ジョンヨプ韓神大社会学科教授

先週、自律型私立高がソウルに13ヶ許可され今年から4000人以上の学生が自律型私立高に進学することができるようになった。高等法院でも選挙法有罪判決を受けたコン・ジョンテク教育長がこういう決定をする資格があるのかとも思うが、この問題に関する限りコン教育長でなく高校多様化300プロジェクトを掲げたイ・ミョンバク政府が主導していると言わなければならないだろう。自律型私立高がソウルに続き地方各地に生じれば、既存の特別目的高校と自立型私立高だけでもすでに半死半生だった高校平準化は死亡診断書を発行されることになり、同時に高校入試もより一層激しくなるだろう。

教育科学技術部の官僚はおそらく一定水準以上の内申成績者から抽選で選抜するので高校入試競争のようなもの生じないというだろう。だが自律型私立高が入試で高い成就を示す可能性は大きい。実際に国民共通教育課程の教科履修単位の50%以上を充足しなければなければならないと規定した‘自律型私立高等学校の指定および運営に関する規則’第4条は、自律型私立高が入試名門に成長する道を大きく開けておいた。国民共通教育課程は高1までであり、2~3学年は深化選択課程としてすでに校長の裁量に任せたが、共通教育過程まで51%だけ運営すれば良いので、そうなれば入試教育に専念することを‘勧告する’ことだ。恐らく外国語高校までが各種教科課程上の制限を避けようと自律型私立高に転換を試みる可能性が大きく、そうなれば抽籤制のようなものが存続する可能性はあまりない。

結局、長い迂迴路を経て過去の名門高体制に復帰することになる計算だが、それが単純な復帰には終わらない。明確にさらに悪くなる復帰だ。過去の名門高体制も過度な入試教育と私教育のために平準化体制を呼び入れたが、それでもその時は現在と比べれば大学進学率が大幅に低く私教育も強盛ではなかった。だから貧しい家の子供がソウル大にも行き、ソウル大総長にもなる道が結構開いていた。だが今は全くそうではない。階層化は深刻化され、入試競争は激しくなり、私教育は強力になった。

また過去の名門高は公立学校中心だった。鼻息の荒い朴正熙時期に私立学校だからと言って平準化制度導入に抵抗できたかどうかは疑問だが、それでも名門高が公立だったことが平準化導入の困難を大きく減らした面はある。だが今は一部の特別目的高校を除けば、名門高の席を占めることになったのは私立学校らだ。高校教育体制に対する私たちの社会の合意が今とは違った方向に進むとしても、例えば平準化を再び指向するといっても政府から財政支援を受けない名門私立高をどういう方法で規制するだろうか? “自律型私立高等学校は5年以内で指定・運営するものの、市・道教育規則に定めるところにより5年の範囲で延長することができる」とある初中等教育法施行令105条の3の⑤が指定取り消しの根拠条項となる可能性は殆どない。

そして政府支援を受けないことと連動して自律型私立高は過去の名門高とは違い他の学校よりさらに高い登録料を集めることになる。恐らく一般高等学校の3倍程度になるだろう。入試教育という面でそうだろうが、ともかくもより良い教育を受けたければお金を多く出せということだが、父兄の負担もひとまず公式学校に入ってくれば公教育財政に含まれる。結局、全体教育財政の中で政府負担は増やさずに父母の負担を増やす道を探したということだ。それでも子供をひとまず自律型私立高に送った両親たちの場合、登録料は増えても私教育費は減るだろう。そのような朝三暮四を使ってイ・ミョンバク政府は私教育費半分公約を守ろうと努力したし一定の成果も上げたと強弁するかもしれない。

キム・ジョンヨプ韓神(ハンシン)大社会学科教授

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/367096.html 訳J.S