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[社説] KBS ‘画面操作’,政権が放送掌握すれば日常茶飯事になる

原文入力:2009-01-02午後07:42:55
<韓国放送>(KBS)が新年普信閣(ポシンカク)打鐘行事の生中継で、画面と音響を操作しわい曲したという論難がおきている。実際の現場の様子と放送画面とはあまりにも違った。ソウル鐘閣の四つ角をいっぱいに埋めた数万人が口をそろえて叫んだ「イ・ミョンバクは退け」等のスローガンの声は音響効果で消され放送では聞けなかったし、「アデュー2008アウト2MB!」,「言論関係法改悪撤回せよ」等のプラカードを持った市民の姿も画面には映らなかった。当然行うはずの市民インタビューも省略されたし、「私たちの先生を返して下さい」と書かれた黄色い風船が打鐘の瞬間いっせいに空に上がる壮観も画面では見られなかった。手を叩く人もいないのに録音された拍手の音で覆ってしまい、市民らの代わりに直接関係のない風景で画面を埋めたからには操作とわい曲に違いない。
韓国放送側はデモとスローガンが行事の目的に合わなかったために放送に送りださなかったと主張している。拍手の音の音響効果も‘放送テクニック’という。

とんでもない詭弁だ。言論の役割は事実をありのままに見せるのが基本だ。 ある事実を伝えず、ないことをあったかのように装うならば、その瞬間から言論ではなくなる。特に影響力が大きい放送がそのような操作とわい曲を日常行えばその害悪は計り知れない。遠くはナチスドイツで、近くは第5共和国の‘テンチョン放送’(*)がその例だ。画面アングルとコメントなどを巧妙に配置して、事実の片方の側面だけを見せ執権勢力に有利な効果を出す‘技術’は過去の権威主義政権下の放送で日常茶飯事だった。韓国放送側はニュース報道番組でないという言い訳もしているようだが、放送形式がどうあれわい曲・操作の害悪は大きく変わらない。公営放送がそのように政権の広報本部にでもなったように特定意図により恣意的に事実を編集し現実をわい曲するならば、この間精魂を込めて積み重ねた国民信頼は一日で崩れることになる。

今回の‘画面操作’はその始まりに過ぎないかもしれない。大統領府とハンナラ党,そして朝鮮・中央・東亜日報の思い通りにする放送法など、言論関連改悪立法が処理されれば、このような形の操作放送を通じて事実をわい曲し世論を操作するのが日常茶飯事になるだろう。そのように国民の目と耳を遮るのが民主主義ではありえない。放送構造改編問題が他人事でない理由だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/331055.html

原文: 訳J.S

(*)訳者注:テンチョン放送=テンチョンニュースとも言う。80年代、第5共和国の全斗煥政権が主導した不公正報道として,当時大統領だった全斗煥の活動記事を一番先に報道したところから出てきた。名前の由来は、KBS「9時のニュース」で9時の時報が'テン'と鳴った直後、'チョン・ドゥファン大統領は…'というコメントが出てきたところから。