原文入力:2009-07-03午後07:53:12
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ソウル市教育庁は去る4月に1059ヶ小・中・高に86億ウォン余り(今年全体支援額は約104億ウォン)の学校図書館運営費を緊急支援した。1校に1000万ウォン以内で支給されたこの予算は蔵書購入をはじめとする学校図書館運営にだけ使わなければならない。その上経済を生かすための政府の予算早期執行政策を勘案し50%以上を上半期に執行しなければならなかった。
こういう政策をひとまず歓迎しない理由はない。学校図書館は平等教育の要諦であるからだ。だが新政府になって学校図書館が死につつあるという声が聞こえる。教育科学技術部の各種統計には学校図書館設置率が2008年4月末基準で95.1%にもなっている。だがこういう統計からしてでたらめという問題提起があった。
去る6月6日国会図書館小講堂ではアン・ミンソク議員室が主管した学校図書館再生政策討論会が開かれた。その日討論者として立ったソンゴク女子高のイ・トクチュ教師は事実上1万1222ヶ各級学校の学校図書館設置率は5.7%にすぎないという衝撃的な主張を展開した。現在、全体司書教師は全体学校数の5.7%である625人に過ぎない。イ教師はこの統計を根拠に教室半分の広さに図書500冊を具備しさえすれば学校図書館として分類される現在の基準は法的な妥当性がない恣意的基準だと批判した。
司書教師のような専門運営人材を置かない学校図書館は図書館になりえないという主張を展開しているが彼は百歩譲って無期契約非正規職司書を置いた学校まで合わせても約10%、教育補助司,公益要員,希望公共勤労など司書資格のない専門担当人材が仕事をする学校まですべて合わせても35%に過ぎないといった。
彼はこういうでたらめ統計が読書教育政策樹立の基礎資料になることで、さらに大きな問題を引き起こしているとして憤慨した。2003~2007年に施行された政府の学校図書館活性化事業以来、90%以上の小・中・高校に図書館または図書室が作られたが運営上の効率は落第点というのが彼の主張の核心だ。
小さい雑貨屋でも主人がいなければ運営がうまくいかない。まして数多くの知識が蓄えられた本を多様に具備しておき個性のそれぞれ異なる顧客(生徒)に合わせなければならない学校図書館は言うまでもない。2006年から2008年まではそれでも毎年154人,104人,109人など100人以上の新規司書教師が任用されていたが、今年はただの9人に過ぎなかった。こういう退行的な政策に現場の教師たちが鬱憤を晴らすということだ。
教育政策当局者も学校図書館の重要性はとてもよく分かっている。それで今年は市・道教育庁別に緊急予算を配分したのではないだろうか?だが彼らは学校図書館問題が提起されさえすれば、いつも人材問題だけ除いて全てのものを議論しようとして、根本的な議論自体を源泉封鎖しようとする。一つの国の過去を見ようとするなら博物館に、現在を見ようとするなら市場に、未来を見ようとするなら図書館に行けという言葉がある。今の学校図書館の姿では未来がない。だからこそ教育当局は一人の教師の愛のこもった忠告を傾聴しなければならない。
ハン・ギホ韓国出版マーケティング研究所所長
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/363869.html 訳J.S