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[東京から] 拉致問題, 根源的解決方法を探せ

原文入力:2009-06-14午後09:15:50
キム・トヒョン記者

←キム・トヒョン特派員

日本で生活していると今更ながら北韓と日本の関係を考える時が多い。
比較的慎重で冷静な方である日本の人々や政府・言論も、北韓と関連した話になると完全に違った状況になる。対北韓世論を主導する側はやはり言論だ。11日付新聞社説の題名だけ見ても ‘危機に対する結束を崩すな’(<朝日新聞>) ‘包囲網で暴走止めよ’(<東京新聞>)等、比較的進歩指向の新聞までが北韓に対する強硬対応注文一色だ。

特に放送は程度が激しい。出演者の中には「北韓は滅びても良い国」という超強硬発言をする人も眼につく。ほとんど毎日もれなく放送される北韓関連ニュースを見ていると、物静かな分析報道も時々は眼に触れるが興味本位が大部分だ。東京のある外交消息筋は10日に発生した<TV朝日>の北韓キム・ジョンイル委員長3男キム・ジョンウン氏の ‘最新写真’ 誤報騒動に対し「日本の放送が北韓をどのように扱っているかを如実に見せる代表的事件」と指摘した。

日本言論の対北韓強硬姿勢は基本的に国民世論に基盤を置いている。各種世論調査の結果、70~80%の日本国民が対北韓強硬制裁に賛成している。日本の対北韓国民感情は拉致問題に根元を置いている。拉致問題の解決が遅々として進まず、言論はより一層日本国民の ‘被害者感情’ に油を注ぎ火をつけている。そこに最近北韓が長距離ロケット発射と第2次核実験まで敢行し、対北韓先制攻撃が可能な ‘敵基地攻撃’ 能力保有論まで自民党で公論化されている状況だ。

しかし一時、対北強硬制裁を主張していた ‘北韓拉致被害者家族連絡会’(家族会)の蓮池透(54)前事務局長はこういう日本社会の雰囲気を憂慮している。最近<拉致,左右の垣根を越えた戦いへ>という本で対話を通じた拉致問題解決を主に主張し、日本社会に波紋を起こした彼は去る2日<ハンギョレ>とのインタビューで日本言論の責任論を強く提起した。

「放送会社の人々に会う度に拉致問題がなぜ解決されないのか、冷静に問い詰められる検証番組を作ってくれと話したが実現しなかった。視聴率を稼げなく政府に逆らうこともできないためのようだ。日本の放送会社は北韓ニュースを珍らしい国家,おかしな国家という形のエンターテイメント(娯楽)として扱っている。」

彼は日本政府の責任論も強く主張した。2002年9月17日、北韓と日本政府が核,ミサイルと拉致問題,植民地過去清算を包括的に解決しようという ‘平壌宣言’ に署名した。以後、両国政府間に色々な合意事項があったが解決に至っていないのは北韓ばかりでなく短期的政治的成果に汲々として却って国民世論の反発を買ったあげく、合意事項を破り今はやむを得ず世論の言いなりになっている日本政府の戦略不在もあるということだ。

彼の弟で大学3年の時に北韓に拉致され24年ぶりの2002年に国した蓮池薫(52・新潟産業大専任講師・韓国語翻訳家)も同じだ。彼はハンギョレのインタビュー要請を繰り返し固辞し拉致問題については話さない条件で2007年インタビューに応じたことがある。彼は北韓-日本政府の合意で日本に一時帰国した後、北韓に帰るといって兄の強力な引き止めで「日本の家族を選ぶか、北韓に残っている子供たちを選ぶか」を置いて人間的悩みを繰り返し結局、日本永住帰国を決心したという。

拉致の痛みと家族離散の悲劇を自ら体験したこれら二人の当事者の対北解法が成果を出すことを期待する。

キム・トヒョン特派員aip209@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/360403.html 訳J.S