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[現場から] 遺骨の真実 再び埋めようとする視線

原文入力:2012/08/21 20:46(1200字)

←パク・ギョンマン社会2部記者

  独立闘士であり反独裁闘士であったチャン・ジュナ先生が疑問死から37年ぶりに彼の遺骨の傷痕が世の中にあらわれ、他殺疑惑に再び火が点いた。 疑問死事件を再調査しろとの要求がチャン先生の遺族と市民団体、政界で激しいが、他の一方では‘すでにすべて過ぎたことなのに何をまた再調査するのか’という見解もある。 朴槿恵セヌリ党大統領候補もやはりこのような主張が展開しており、誰がそのような話をするからとあえて恨むことでもないかもしれない。 ただし、事実を歪曲し真実糾明の声を無視することに言論人までが乗り出す姿には唖然とせざるをえない。

  カン・ビョンテ<韓国日報>論説顧問はこの新聞の21日付‘チャン・ジュナ、神話と迷信’というコラムでこのように書いた。  "(他殺疑惑を提起する人々は) 1975年在野を代表して故人の死体を検案した医師出身の野党要人が‘直径2㎝大の後頭部陥没が直接の死因’と証言した事実を努めて無視したりまたは隠している。 …新たに発見された側頭骨陥没跡は故人の死後、遺骨状態でできたと見てこそ理に適う。 遺骸移葬過程で腐った遺骨が損傷したと推定するに値する。 …今になって何を新たに明らかにできると本当に信じているのか疑わしい。 …合理的根拠がないことを盲目的に信じるのは迷信だ。"

  ‘後頭部陥没が直接死因’というのはチャン先生の家族も記念事業会側も誰も隠したことがない。 1975年に死体を検案した医師はすでに 「後頭部骨折部位は解剖学的に墜落により損傷されにくい部位だ」と他殺の可能性を提起した。

  しかも去る1日、チャン先生の遺骨を37年ぶりに検査したイ・ユンソン ソウル大医大教授(法医学研究所)は 「37年も過ぎてほとんど遺骨が残っていないと思ったが、骨がまともにあって驚いた」と語った。 チャン・ジュナ記念事業会が公開した写真を見れば、チャン先生の頭蓋骨には直径6~7㎝の丸い穴が明確にあらわれている。 カン・ビョンテ論説顧問は1975年には直径2㎝であった穴が今は6~7㎝に大きくなったことが‘遺骨が腐って’そうなったと考えているようだ。 著名な法医学者が遺骨が腐ったことと、本来の傷痕との区別もできないという確信はどこからくるのか。 チャン・ジュナ先生の死因が墜落死または他殺だと考えるのは個人の判断としてはありえる。 ただし言論は事実(fact)に忠実でなければならない。 ‘遺骨が腐って損傷部位が大きくなった’という錯覚を盲目的に信じることこそ迷信だ。

パク・ギョンマン記者 mania@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/548142.html 訳J.S