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[社説] 度を越えた言論弾圧、手先と化す検察

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/346395.html原文入力:2009-03-26午後07:48:52

<文化放送>(MBC)の‘PD手帳’を担当していたイ・チュングンディレクターが一昨日夜、家の前の大通りで妻が見守るなか拉致されるように検察に逮捕された。イ・チュングンディレクターを含む、PD手帳担当だったディレクターと作家らの家も皆、押収捜索にあった。先立ってノ・ジョンミョン労組委員長などニュース専門チャンネル<YTN>記者らも日曜日早朝、家族らが見守る前で警察に連行された。1970・80年代パク・チョンヒ・チョン・ドゥファン政権が随時犯していた言論弾圧の姿がまさにこうだった。正当な法執行というよりは恐怖を連想させるテロに近い。 検察はPD手帳製作陣の名誉毀損疑惑を判断しようとするならば、製作陣逮捕など強制捜査が避けられないと主張している。‘狂牛病の牛’を取り上げたプログ ラムの取材原本を確保するという理由で、<文化放送>の押収捜索も辞さない態勢だ。しかしこれは口実に過ぎない。一番最初に今回の事件を担当した検察の捜 査チームはPD手帳報道は公共の利益に関する公的懸案を扱ったとし、チョン・ウンチョン前農林水産食品部長官など被ったという名誉毀損の被害も具体的でな く製作陣を逮捕する必要がないと判断した。無嫌疑とされたのもそのためだろう。放送からずっと後の今になって強制捜査が緊急に必要な理由が生まれるはずが ない。それなのに検察が捜査チームまで変えて無理な逮捕など強制捜査を押し通すのだから、捜査上必要というよりは‘見せしめ’という別の意図があるのかと 疑わざるをえない。

検察も自身のこういう態度が言論自由と民主主義原則を毀損することになるという点を分からないはずがないだろう。今回のことのように、政府政策を批判した といって政府機関の長が言論を名誉毀損で告訴し検察・警察が言論人に対する調査と逮捕で圧迫を加えるならば、言論の自由は息苦しさを増すだろう。取材原本 を出せとの検察要求も取材源保護を不可能にし、権力監視という言論が存立する根拠を崩すことが可能になる。民主社会の根幹をなす言論に対するこういう物理 的弾圧は直ちに民主主義の危機につながる。捜査上必要だったなどという言い訳では決して正当化できない憲法的価値の破壊だ。

そうでなくともイ・ミョンバク政府が批判言論に度を越した強硬姿勢を見せることに対しては放送掌握の道を整えようとするものだという分析があったところだ。反対をもみ潰し自らの思う通りにやるという独裁的発想だ。検察はその‘手先’になるのか。
原文: ms