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[社説]経済危機の常態化に見合う対策が必要

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/540067.html原文入力:2012/06/28 19:15(1285字)
 今年の経済成長率の予想を政府が対外条件悪化を理由に3.3%に下げた。政府は昨日、下半期の経済政策方向を発表して2008年の金融危機の時とは違って現在は危機局面が常時化・長期化する様相だと判断した。政府が成長率に執着しないで状況を冷静に見通したことはいい。しかしそれに見合った構造的で体系的な対策は事実上、手をつけていない。  ユーロゾーンの危機は長期化する見込みのうちに不安げに進み、私たちと関係が深い米国や中国の実態景気の鈍化傾向が続いている。韓国は主要国の中で対外依存度が最も高い本質的弱点で外部衝撃に敏感にならざるをえない。外国機関が成長率展望値を低くするのもこのような理由が最も大きい。 実際にヨーロッパ連合と中国・米国など3大輸出市場が動揺して、我が国の輸出は3ケ月間下り坂だ。ユーロゾーンの危機が悪化すれば成長率が2%台に落ちると予想する民間研究機関もある。
 内需もやはり企業が不確定要素の急増により、投資を忌避して家計と政府部門の借金が急増し、回復する兆しが見られない。内需基盤は経済規模が大きくなる過程にあってもそれに見合う程の構造改善がなされるどころか、格差が深刻化してかえって脆弱になっている。自営業の破綻と不動産価格の下落で金融会社の延滞率は危険水位に達し、元金償還を先送りしたまま利子だけ払っている債務者が80%に達している。景気低迷に物価上昇まで重なれば高物価と低成長が重なる最悪のスタグフレーションが起きる可能性もある状況だ。
 苦しいのは現政権に構造改革を期待することも難しいだけでなく、政府が使えるカードも殆どないという点だ。もちろん選挙を意識して生半可に追加予算を組むことは絶対避けなければならない。政府も現在の危機は、拡張的なマクロ政策で一時的に対応すべき状況ではないという認識をしている。そうしておいて、庶民生活の安定に注力するとして基金運用と予算執行率向上等を通して8兆5000億ウォン規模の支援策を示したが、効果はほとんど期待できない僅かな量だ。
 政府が‘747公約’の幻惑に陥って旧時代的な4大河川事業に22兆ウォンの予算を注ぎ込んだ代価を、庶民がそっくり払わされるようなものだ。金持ち減税をしないで、その金で庶民経済を支援して社会安全網を充実させれば今のようではなかったろう。政府は物価安定に注力して庶民家計の負担を減らさなければならない。家計の借金を緩和するために貯蓄銀行騒ぎなどで金の流れがショートした低信用、低所得層に対する金融支援の拡大も必要だ。
原文: 訳T.W