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[社説]MBC社長の‘在日女性舞踊家’疑惑

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/531211.html記事登録:2012/05/03 21:58
 キム・ジェチョル文化放送(MBC)社長を巡る疑惑がますます膨らんでいる。法人カードを7億ウォン余も不正使用した疑惑で告発されたのに続き、今度は在日同胞の舞踊家女性のチウシ(訳注・ハングルの頭文字)氏に各種の便宜をはたらいたとする騒動で沸いている。便宜の内容がきわめて具体的であるうえ、特定の人物に長期間集中しており、安易に見過ごすわけにはいかないようだ。  キム社長のチ氏に関する援助は常識では理解し難い問題が多い。文化放送労組の主張を見れば、キム社長は3月に公演された文化放送の創立51周年特集のミュージカル<イ・ユックサ>をチ氏が代表である企画会社に任せて、企業協賛金12億ウォンのうち9億ウォンを渡した。しかしこのミュージカルはチケットがほとんど売れなかった上、ほとんどが無料招待券として扱われたという。それこそ文化放送が芸の立ち回りをして、お金はチ氏が取りまとめた格好だ。また昨年、<全州大私習ノリ>の公演に出演したチ氏の舞踊団に他の芸能公演者よりはるかに多くの4300万ウォンを全州文化放送局を通じて払った事も公表された。キム社長が過去7年間にこのような方法でチ氏側にはらった便宜は20件余りに達するというのが労組の主張だ。
 特にキム社長がチ氏の実兄に払った便宜は驚くばかりだ。チ氏の兄に‘文化放送の中国の東北3省の代表’という正体不明の肩書きと共に毎月200万ウォンの月給を与えたうえ、文化放送の子会社による中国同胞の関連行事には行事進行費として数百万ウォンを別にもうけていたという。"キム社長とチ氏の特殊な関係なしでは説明がつかない" と労組が主張するほどの内容だ。
 チ氏をめぐる疑惑が事実ならば、公営放送社長の地位を自身の私的利害に使った背任行為に該当する。公営放送の責任を担うにはあまりにも低レベルの倫理意識だ。文化放送を事実上‘政権の太鼓もち’に転落させたことだけでも辞任して当然な上、辞退理由が明らかに増したわけだ。キム社長はチ氏に対する特典疑惑を詳細に説明して問題があるならば責任を負うべきだ。
 合わせて警察はキム社長の法人カード不正使用疑惑とともに、チ氏の便宜疑惑に関しても徹底的に捜査して真実を明らかにしなければならない。文化放送の労組は3月以後二度キム社長を告発したが、警察の捜査は4月21日にキム社長を一度呼んで、カード使用に対して調査したのが全てだ。このような形ならばお目こぼし捜査と批判されても弁解の余地がない。警察が手をこまぬく間にキム社長の辞任を要求する文化放送のストライキはすでに100日目に迫っている。