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[社説]出口なきサムスンの遺産争い

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/529732.html原文入力:2012/04/24 19:15(1436字)
 サムスン財閥の遺産争いが泥沼に陥っている。‘世界超一流’を追求するというサムスンのイ・ゴンヒ会長の口から兄のメンヒ氏を非難する悪口が露骨に語られ、メンヒ氏もやはり激しくののしりを言い放っている。両陣営の争いは三流低質の迷走ドラマと同じほど品がない。  イ・ゴンヒ会長は昨日の朝、出勤途中で記者たちに "(父のイ・ビョンチョル会長が)‘メンヒは完全に私の子供でない' と言った" 、 "イ・メンヒは恐れ多くも私を‘コンヒ、コンヒ’と呼べる者ではない。私に会ってもすぐ顔をそらしていた" 等の毒舌を浴びせた。前日、メンヒ氏が相続財産分割請求訴訟の代理人を通じて "最近コンヒが子供じみた発言をしている"   "コンヒは兄弟間に不和だけ増やして自分の欲望ばかり満たしてきた" 等の内容を含んだ肉声テープを公開したことに対する反撃だ。
 今回の訴訟を巡って二人が死活をかけた争いをするのは理解できる。メンヒ氏が要求している三星生命とサムスン電子の株の総額は7000億ウォン台に達するだけでなく、イ会長が敗訴した場合、一人息子イ・ジェヨン氏にサムスンの経営権を譲る計画は支障をきたすことになる。この訴訟に国内外の大きな関心が寄せられるわけだ。そのうえ訴訟対象になった4兆ウォン台の借名株が実際にはどのように形成されたのか、イ会長がサムスン特検を通じて相続権を認められ、借名株を実名に転換したのが適法なのか、この過程で2兆ウォンほどの税金を払わねばならないかなど、付随する気がかりなことも散在している。
 そのようなために二人の一言一言に国民は耳を傾けるほかはない。ところで次々とあふれ出るのはただ卑劣な言葉だけだ。‘noblesse oblige(指導層が持つ道徳的義務)’を論じるのはおこがましい。このような見苦しい様相を今後も見せ続けるなら、誰が訴訟に勝っても結局は両方とも敗者になるのは自明の理だ。
 五十歩百歩の差だろうが、冷静をいっそう求められる当事者はイ・ゴンヒ会長側だ。今回の訴訟はイ会長がイ・ジェヨン氏に強引に経営権を引き継ごうとして触発された面が大きいためだ。その上サムスンは遺産訴訟が提起された後にサムスン物産の職員がイ・メンヒ氏の息子のイ・ジェヒョン氏・CJグループ会長を尾行した事実がばれて面子をつぶすこともした。しかしサムスンは尾行事件に対して謝罪さえしていない。イ会長がまず激情を抑えて、冷静に訴訟を進めることを望む。サムスンは資産総額230兆9000余億ウォン、売上額254兆5000余億ウォン(2010年末基準)を記録した世界的企業なのだ。
原文: 訳T.W