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[特派員コラム] 習近平パズル/パク・ミンヒ

原文入力:2012/02/09 19:36(1732字)

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10年前の胡錦濤よりはるかに華麗に見えるが、
複雑で悩みが増えた中国を受け継ぐことになった

 2002年5月、外部世界には依然として‘神秘の人物’だった中国国家副主席、胡錦濤が米国を訪問した。 彼が中国最高指導者の席に上がる5ヶ月前だった。 米国マスコミは‘後継は誰か?’(Who is Hu)を探索する文で覆われた。

10年後、今度は次期指導者即位を控えた習近平 中国国家副主席が‘習は誰か?’(Who is Xi)という関心の中、来る13日から米国を訪問する。

 米国と中国はバレンタインデーの14日、バラク・オバマ米国大統領と習近平副主席のホワイトハウス会合という素敵なデート日程を用意し、習近平副主席が27年前に若き地方幹部として訪問したアイオワを再び訪ねるイベントを通じて新しい中国指導者と米国の縁を強調する。

 オバマ-習近平会合は次の10年間、二大強大国(G2)関係の方向をチラリと垣間見られる場だが、シリア、イラン、北韓、元為替レート、中国人権など両国間に山積みされている重要議題について流れを変える重要な合意を形成することは困難だろう。 習近平の具体的政策は今秋の中国共産党18次全国代表大会で彼が党総書記職を引き継いだ以後に本格的に繰り広げられうるためだ。 代わりに米国は今後の10年間、中国を率いる習近平の考え、次期リーダーシップの方向を読みだす作業に触手を尖らせるだろう。

 10年前、胡錦濤主席は世界貿易機構(WTO)に加入し‘世界の工場’として本格的に浮上し始めた中国を受け継いだ。習近平副主席ははるかに華麗に見えるが、複雑で悩みが増えた中国を受け継ぐ。 見かけは世界二大強国、1位の輸出大国に急成長した中国だが、‘成功の逆説’が中国を四方から脅かしている。 国際舞台では地位に見合う責任を要求する声が高まっている。 国連安保理でシリア決議案に拒否権を行使した後、集中的に襲った後暴風、常勝疾走したアフリカ資源外交の副作用、南シナ海などを巡る周辺国との葛藤など波が高い。

 しかし中国の真の問題であり変化の契機は内部から出ている。先月ダボスフォーラムでは西欧式資本主義の危機の中で浮上する中国の‘国家資本主義’が最も熱い討論主題だったが、中国内では現在の‘中国モデル’が成功の限界点に達したという危機意識が強い。 iPhoneを作る富士康工場の中国労働者搾取に対する最近の暴露は中国のこういう‘世界の工場’モデルが持続不可能な地点に到達しているという現実をあらわにした。 貧富格差、不正腐敗、土地没収、農民工に対する低賃金搾取を巡る怒りがデモとストライキで表出されているが、改革を封じる強力な利益集団の抵抗力はシステムの各所で持ちこたえている。

 改革に反対する官僚主義と利益集団の抵抗の対して、習近平が胡錦濤に比べてより果敢にそれを打破し、過度に長く引き延ばされてきた政治・社会改革を推進し、中国を新しい道に導けるだろうか? 中国は切迫感をもってこの質問を投じている。

 去る1月19日は鄧小平の南巡講話20周年だった。 1989年、天安門民主化デモ流血鎮圧の後、改革を元に戻そうとする保守派の攻勢の中で88才の鄧小平は武漢・深セン・珠海・上海を巡り「改革がなければ死ぬのみで、改革開放は100年間揺れることなく推進されなければならない」というメッセージで中国を再び改革開放の軌道に乗せた。 だが今年、南巡講話20周年は特別な記念行事もなしであまりにも静かに過ぎ去った。 代わりに‘鄧小平の改革は未だ成功していない’ ‘政治・社会改革、富の公正な分配がなされなければ改革開放は危機’という冷静な評価が提起された。

 習近平は‘改革開放の総設計士’鄧小平が残した未完の課題を解決し、‘改革開放の完成者’となれるだろうか?

パク・ミンヒ北京特派員 minggu@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/518321.html 訳J.S